「未来は希望に満ちている」最高にワクワクした取材
こんにちは!2020年度入社の半田です。
突然ですが、わたくし半田は、2022年10月17日から編集部に異動いたしました!今回の異動は、「ピヨピヨインサイドセールスの成長記」の記念すべき初掲載『はじめまして!産毛の小鳥の自己紹介)』にも記載した「数年後に編集部に行きたいです!」という希望が叶ってのものです。
私の担当は、EE Times Japan/EDN Japanの2媒体で、半導体/エレクトロニクス業界の専門媒体です。半導体/エレクトロニクス分野では、スマートフォンやPC、自動車などの全ての電子機器における、電気が通る仕組みに関する技術を扱っています。この分野は、専門性が非常に高いため、毎日勉強しながら記事を執筆しています。
▼半田翔希 執筆記事一覧
https://www.itmedia.co.jp/author/227405/
異動初日は、いきなり展示会での臨場取材というスパルタ教育でした。私は、30分以上前には現地に到着できるように気合いを入れて出発しました。しかし、幕張メッセに向かうはずが、間違えて東京ビッグサイトに向かってしまい大遅刻。幸いなことに、取材予定時間には間に合ったため、取材先に迷惑をかけることはなかったものの、出だしから不安だらけの編集記者人生です(苦笑)
▼編集部として初掲載の記事
https://eetimes.itmedia.co.jp/ee/articles/2210/18/news068.html
未来は希望に満ち溢れている~進化するテクノロジー~
私が編集部に異動して約8カ月、既に100本以上の記事を掲載しました。本稿では、半田が個人的に「こんなにも未来は希望に満ち溢れているのか!」とワクワクした取材/テクノロジーの中から、2つ紹介します!
1)IOWNで、120kmの遠隔でも”普段通り”の手術を実現
まずは、NTTの光通信技術「IOWN」を使い、120km離れた遠隔からでも問題なく手術ができる技術です。この技術が発展し実用化されれば、例えば、今まで渡米が必要だった手術を日本国内で受けられるなど、救われる命が増えるのではないでしょうか。(ドナーの問題や法律の違いによる術式/治療方針の問題は残りますが……)
遠隔手術ロボット自体は、2009年に米国産ロボット「ダビンチ」の日本国内での使用が認可されていて、2021年には国内で400台以上が稼働していました。記事内で使われている遠隔手術ロボットは、国産の「hinotori」です。hinotoriは、2020年6月に製造/販売が承認され、2022年10月までの約2年間で、600症例以上の実績があります。
しかし、遠隔手術ロボットを使用した従来の手術は、ネットワークの安定性や安全性などの観点から、同じ手術室/病院の中などの比較的近距離で、人間の手や肉眼では手術が難しい患部/術式に使われることが一般的でした。
今回取材した通信技術は、遠隔手術ロボットを通信遅延やゆらぎがほとんど無い状態で制御すると同時に、手術映像を超低遅延(200分の1秒)かつ高いセキュリティで伝送することができます。元医学部志望で、医療機器を操作したこともある半田が実際にhinotoriを操作してみましたが、素人目ではまったく分からないレベルの遅延でした。
当然、遠隔手術ロボットを使った遠隔手術の実用化に当たっては、万が一に備えて医師や看護師の同席が必要だと思いますが、手術内容によっては、近場の一般的なお医者さんより、腕のいい遠くの専門医に遠隔手術をしてもらいたいと、個人的には思います。
2)麻痺した身体も動く、皮質脊髄路インタフェースを開発
次は、新潟大学が研究している、麻痺(マヒ)した身体を動かせる皮質脊髄路インタフェースの開発です。皮質脊髄路とは、脳と脊髄をつなぐ神経経路です。例えば、人間がコップを持ち上げる時、脳が視覚的にモノの位置を認識し、脊髄路から脊髄、脊髄から腕に電気的な指令を伝えて、腕の伸縮や力の調整を行います。しかし、事故や疾患などで脊髄を損傷している人は、脳から腕への伝達がうまくできないため、一連の動作を行うことが難しいです。
発表された技術は、脳と脊髄をつなぐ皮質脊髄路の代わりとなる道(インタフェース)を作成したというものです。今回想定している脊髄損傷では、脳から腕まで指令を伝達する「道」に問題がある一方で、「脳」「腕」そのものには問題がないため、その2つをつなぎ合わせることができれば、身体を正常に動かすことができる、という発想です。脊髄損傷モデルサルを使った実験の結果、皮質脊髄路インタフェースを介すことで、腕の伸縮ができ、脳から要求される力の大きさによって、動作範囲や力加減にも違いが見られました。
これって、すごくないですか!?この技術が発展すれば、事故や先天性の疾患のために身体を動かすことができない人、諦めてしまっていた人が、リハビリ次第では動かせるようになるかも知れません。私も齢25にして5度の全身麻酔や、四肢のケガを経験していますが、思い通りに身体が動かないというのは、本当にもどかしく、悔しいものです。この技術によって、自分の思う通りの歩行や激しい運動ができるようになるかは分かりませんが、“身体を動かす”という選択肢があるか、ないかでは天と地ほどの差があるように思います。あるいは、現実世界で身体を動かすことは難しくても、使用者の脳から出た指令を、バーチャル上のキャラクターに転送して動かすことで、あたかも自分が動いているかのような体験ができるようになるかも知れません。
最後に
この先も編集記者として経験を積み、分析することで、読者に「刺さりやすい」情報や書き方の傾向が見えてくると思います。しかし、私はこの8カ月間で、何よりも「自分が楽しんで取材/執筆する」ことが一番大切な気がしています。もちろん、楽しめるだけの余裕や知識が必要になりますが、自分が「伝えたい!」と思えるその熱意こそ、人の心も動かせるのではないか…!そんな根性論に行き着いている今日ころ頃です。将来、自分自身がこのブログを読み返す時が来ても、この「熱意」を忘れず、より大きな炎になっていることを願っています。
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