議事録という名の思いやり ~思いやりは引き算、そして主観との距離感~
こんにちは、ISR部のきゃCです。
今回のピヨピヨコラムは、「議事録」にフォーカスしてお送りいたします。私はよく、勉強のために先輩の商談に同席させていただくのですが、その議事録をまとめることに苦手意識があります。そこで社内でも生粋の議事録er(=議議事録の名手)として呼び声の高い ”しゅるしゅる先輩” にインタビューし、その極意を伝授してもらおうという回です。ちなみに「しゅるしゅる」の由来は、学生時代に「電動自転車を漕いでいるときの擬音語って、しゅるしゅるって感じじゃないですか?」と先輩に話したところ、その擬音語をニックネームとしてあてがわれ、定着したとのことです(学生時代は電動自転車をフル活用していた)。
しゅるしゅる先輩は現在第5営業部で、私、きゃCにとっては営業本部の先輩にあたります。
前回の同期インタビューと比べるとやや緊張して縮んでおりますが、早速いってみましょう!
★しゅるしゅる先輩プロフィール
・第5営業部
・すきな食べ物:噛み応えのあるもの。おもち、スルメなど。
・8月は健康の見える化(Fitbitで運動量など)
★第5営業部の解説 by.しゅるしゅる先輩
メンバー7人(部長含め)で活動中。
ひとりあたりの担当クライアント数は約50社。1人3000-4000万円/四半期くらいの売上予算に対して、日々どうお客さんと向き合い売上を作るか?を試行錯誤している。
ごあいさつ
きゃC:
しゅるしゅる先輩、こんにちは!
お忙しいところインタビューをお受けいただき、ありがとうございます。
しゅるしゅる先輩:
いえいえ、こちらこそありがとう!久しぶりだね!
きゃC:
5営(=第5営業部)さんは他の部と比較してわりと賑やかで、出社率も高いイメージがあります。私もしゅるしゅる先輩は社内でよくお見掛けするんですが、今回きちんとお話しする機会ができて嬉しいです!
しゅるしゅる先輩:
そうだね、5営は新卒含めて若手が多めで、コミュニケーションが活発なほう方かもしれない。Slack(社内のコミュニケーションツール)の雑談チャンネルも多いから、雑談に埋もれないように大事な業務連絡はそれ専用のチャンネルを使っているよ(笑)。
きゃC:
私も最近5営の新人さんとごはんに行ったりと、親睦が深まってきています。
議事録について
きゃC:
さて、早速本題なのですが。
今回は、事前にお伝えしていたように「議事録」についてお話を聞かせていただきます。
「議事録」というとミーティングの要点を記したものであり、上手な議事録は情報の取捨選択がきちんとなされているものという解釈なんですが、しゅるしゅる先輩はどのように解釈されているのでしょうか?
しゅるしゅる先輩:
そうだね、私も書くときは相手に過不足なく伝える・伝わるように書くことをすごく意識しているな。
きゃC:
議事録は、備忘録とはちがって他の人が読むことが前提になっていますもんね。
その会議に参加していなかった人が読んでも、その会議に参加したかのように理解できるのが理想というか。
しゅるしゅる先輩:
だから、客観的に読んで理解できるかどうかは本当に大切だと思っていて。あとは、その場であった発言などをそのまま書くと唐突な印象になるので、適宜繋ぎ言葉を入れるようにしているよ。議事録だけではなく、Sales Cloud(営業管理システム)に残す記録についても、後から見た第三者にも正しく伝わるように気を付けているよ。
きゃC:
自分のためじゃなく他の人のための行為だから、ある意味、議事録って思いやりですね。
その他にも心掛けていらっしゃることはありますか?
しゅるしゅる先輩:
事実とアイディアを、項目として切り離すこと。あとは相手の空気感も含めてメモをとることかな。
きゃC:
興味深いです。
しゅるしゅる先輩:
「事実」は実際に自分や相手が発した言葉・事象で、「アイディア」は商談中やミーティング中に個人的に思い浮かんだものなので、本来分けて整理すべきなんだよね。ここを混同しないために、「事実」と「アイディア」をそれぞれ分けて記せるように予めノートに項目を立てているよ。
きゃC:
なるほど、確かに油断すると主観で情報整理しそうになりますね。
ちなみに「空気感も含めてメモする」とはどういうことでしょうか?
しゅるしゅる先輩:
たとえばお客さんが「予算は100万円出せる」と仰ったとして、その100万円は余裕で出せるのか、あるいはけっこうギリギリなのか、っていうところだね。「リードが欲しい」という要望の場合でも、目標数に達していなくて焦っているのか、沢山あるぶんには困らないよっていう感じなのか、ニュアンスによってこちらのスタンスや提案が変わってくるんだよね。
110点の議事録
きゃC:
なるほど、確かにそうですね…!
では、現在のしゅるしゅる先輩の議事録を100点とすると、110点の議事録を作るにはどうしたらよいと思われますか?
しゅるしゅる先輩:
うーん、大きく3つ考えられるかな。
まずは要点をよりクリアにすること。文章が長くなりがちで、提案するときに要件定義をし直さないといけなくなるから。
2つ目は、想定していなかった内容をまとめる力。前提としてその会議の流れを予め想定して準備しているからなんだけど、その場で急に言われたことをどう肉付けするかっていう部分にもつながるね。
3つ目は、聞くことと書くことの両立かな。今はどちらかというと聞く方に集中してしまいがちだと思っていて。
きゃC:
なるほど。100点を超えようとすると、逆に引き算の世界になってくるんですね。あと、授業中の板書のように、一般的には聞くより書く方に気を取られがちな人のほうが多い気がしますが、聞く方に集中しがちというのは、しゅるしゅる先輩らしいです。
ちなみにですが、議事録をとる時は何かツールを利用されているのでしょうか?
しゅるしゅる先輩:
もっぱらGoogle ドキュメントに書いてるよ。以前はGoogle Keepを使っていたけど、2年ほど前に完全移行したよ。目次を立てられるし、太字・下線といった小回りもきくし、何かと便利で。
きゃC:
そうなんですね!?私もいまGoogle Keepを使っているんですが、今日からGoogle ドキュメントに乗り換えようかな。
しゅるしゅる先輩:
Google Keepも便利だけど、議事録という用途になるとGoogle ドキュメントのほうが私は合っていたな。URL管理はブックマークして、あとは社名など固有名詞は正式名称で記録することをおすすめするよ!検索するときスムーズになるからね。
きゃC:
なるほど!私も活用していきたいので、Google ドキュメントを使う上で工夫していることなどがあれば是非教えてください!
しゅるしゅる先輩:
目次機能を活用しているけど、そもそも私は議事録を企業様単位で管理していて。同じ企業内に複数の担当者さんがいても、目次に担当者名も書くことで情報整理しているよ。
だから目次には日付と担当者名、それとそれがアポイントの議事録なのか個人的な覚え書きなのかを書くようにしているね。
あとは無難だけどユーザー辞書を活用していて、変換ミスしやすい固有名詞や記号なんかも登録してるよ。たとえば「 ┗」っていう記号をよく使うんだけど「補足」って打つと出てくるようにしていたり。
きゃC:
議事録はスピード勝負なので、工夫が必要ですよね。
ところで、逆にそんなしゅるしゅる先輩が「この人の議事録はステキ♡」となるような方はいらっしゃいますか?
しゅるしゅる先輩:
実際に参考にさせていただいたことがあるのは、同じ営業部の、広瀬さんの議事録かな。企業単位でまとめるっていうのも広瀬さんの影響だった!
あとは、きゃCちゃんのいるインサイドセールス部の先輩たちも。Sales Cloudに残してもらっているメモがわかりやすくて本当にありがたいです。
きゃC:
先輩方のSales Cloudを覗いてきます!
ちなみに文字起こしのAIも最近は発達してきていますが、AIは活用されていますか?
しゅるしゅる先輩:
ううん、今のところは全てタイピングしてるよ。AIを使った方が効率的とは聞くんだけど、クオリティの面でまだ少し不安で。
しゅるしゅる先輩のこれまで
きゃC:
では、このあたりで是非しゅるしゅる先輩のバックグランドにも迫りたいのですが。
議事録を書くのが上手になられた背景として、思い当たる節なんかはおありなのでしょうか?
しゅるしゅる先輩:
学生のとき写真部で副部長をしていたんだけど、LINEで部員に向けて事務的なおしらせを書いていたり、あと学生団体に所属していて、住んでいた東広島市の魅力PRとしてウェブメディアの記事を書いていたりと、文章を書くことは昔から得意だったかな。記事を書く時はその人の仕草・方言含め言葉遣いに着目して、どうしたらその人の魅力がより豊かに伝わるかを工夫していたよ。
きゃC:
とっても素敵ですね。
しゅるしゅる先輩:
でも社会人1年目は、それこそ情報の取捨選択が難しくて何をどこから絞るべきか分からず、主観的に「重要そう」と「そこまで重要ではない」みたいに項目を分けていたな。
きゃC:
主観との距離感、私も悩みます。自分では重要だと思ったことが、他の人から見ればそんなに重要じゃないこともあったりすると思いますが、そういうところはどうやって判断していらっしゃるんですか?
しゅるしゅる先輩:
そういうことってあるよね、それはもう先輩に壁打ちしてもらって、地道に鍛えてもらってきたね。自分の傾向としては相手の気持ちに着目してしまいがちだから、数字だけをドライにみる努力をしているよ。
きゃC:
しゅるしゅる先輩は文学部のご出身なのもあって、人の気持ちを洞察することが得意そうですよね。
しゅるしゅる先輩:
そういうことが好きなのかもしれないね。寧ろ、ビジネスの場じゃなければそういうことの方が大切なんじゃないかなって今も思っていたり。
きゃC:
非常によくわかります。
しゅるしゅる先輩は私のような後輩に対しても丁寧に対等に向き合ってくださいますよね。プライベートの交友関係はどんな感じでしょうか?
しゅるしゅる先輩:
プライベートの交友関係も割と深く狭くのスタイルで、そういう関係性をいろんなコミュニティで築いているかなぁ。
きゃC:
そうなんですね。私もしゅるしゅる先輩とは割と似たタイプなんですが、ストレングスファインダーの上位項目ってどんなものがあったか覚えていらっしゃいますか?
しゅるしゅる先輩:
成長促進、共感性、親密性、みたいな項目が上位に来てた記憶があるなぁ。
きゃC:
共感性は私も上位項目にありました。挙げていただいた項目は「人間関係構築力資質」という領域に該当するストレングスみたいですが、思いやりや他者視点が大切になってくる議事録作成とも通ずるものがありそうですね!
(※以降、オフレコの雑談が続きます)
編集後記
さて、今回のピヨピヨコラムはいかがだったでしょうか。
お忙しいところ対面でしっかり時間をとってくださり、しゅるしゅる先輩のお人柄も垣間見えつつ、議事録のイロハをご教示いただき、私としても大変勉強になった有意義な回でした。
しゅるしゅる先輩、本当にありがとうございました!
最後までお読みいただきありがとうございます。
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