BtoBマーケターが押さえるべきトレンドとは?「ITmediaマーケティング」編集長に聞いてみた
「テクノロジーがマーケティングを進化させる」
こちらはマーケティングの最新情報を提供する専門メディア「ITmediaマーケティング」のコンセプトです。日々マーケティングの最前線の知識に触れて、記事に落とし込み情報発信を行っている編集長の織茂さんに、「BtoBマーケターが押さえるべきトレンド」について話を伺いました。
大企業でもデジタルセールス
参考:富士通のデジタルセールス
織茂さん:
コロナ禍になってフィールドセールスが活動できず、イベントもできないなかでどのようにリードを取っていこうかと、多くの企業が課題に直面しました。コンテンツを作ってウェビナーでリードを取っていくことが大事であるという共通認識を多くの企業が持ち、日本のB2Bマーケティングのデジタル化は加速しました。そして、さらにその先、デジタル化は営業のプロセス全体に及んでいます。
営業プロセスのデジタル化というと、「THE MODEL」というキーワードを想起する人も多いでしょう。マーケティング・インサイドセールス・フィールドセールス・カスタマーサクセスの分業体制は新興SaaS企業の成長のためにあるものと思われがちですが、そうではありません。より規模の大きな企業がより高額な商材を扱う上でも、デジタルの活用は欠かせません。その先進事例の一つが、富士通です。
詳細は連載記事に記載されていますが、数千万~数億円の商品を取り扱っている富士通の営業プロセスの中でも、デジタルセールスは存在感を増しつつあります。
営業力が圧倒的に強く、伝統的にアナログのプロセスを重視してきた企業においてさえも変革は待ったなしの現在、デジタルと無縁でいられるB2B企業は、もうないのではないでしょうか。
脱Cookieに伴うユーザー体験の再定義
参考:ポストCookie時代のデジタルマーケティング(ITmediaマーケティング主催セミナー)
織茂さん:
Cookie規制の後、どのように広告配信をするかというところに、多くのマーケター・広告担当者は関心をお持ちかと思います。Googleが開発を進めるプライバシー サンドボックス や大手プラットフォーム各社が提供するデータクリーンルーム、共通IDソリューションなどの代替手段が話題になりますが、それだけでなく、脱Cookieに伴ってマーケティングの考え方を根本的に変えていくことが求められている気がしています。
デジタルマーケティングではいかに効率的にターゲットに広告を当てるかということばかりが注目されがちですが、大切なのは広告を当たった人に適切な情報を届け、行動を促し、最終的によい体験をしてもらうことだということを忘れてはいけません。
「ドンピシャで広告が当たりすぎて気持ち悪い...」と感じた経験のある人は少なくないでしょう。広告の最適化は効率的な配信だけで実現するものではありません。Cookieが使えるか否かではなく、そもそもやみくもに広告で追い回すだけでいいのか、広告以外の接点でいかにコミュニケーションを図るべきか、消費者の視点も持ちつつ考え続けていかなくてはいけないと思っています。
マーケティング人材の育成
参考:ポストコロナの企業を救う「マーケティングDX人材」の育て方
織茂さん:
マーケティング人材の育成というのも注目テーマです。
優れた顧客体験の提供を実現するには、そのための人材が欠かせません。しかし、マーケティングに関する知見を備え、自社の戦略やお客さまの声を深く理解して適切な施策を実行できる人というのはなかなかいないものです。そこで、外部からの採用を視野に入れつつも自社内でマーケティング人材を育成し、一人一人のスキル向上を図るための取り組みが求められています。
また、マーケティング業務に従事する人材の育成が重要なのはいうまでもありませんが、マーケターのマインドセットそのものは社員全員が持つべきものと考えます。
HR領域を例に考えてみましょう。
採用すべき人と繋がれず、会社にあっていない人を無理やり採用すると、ミスマッチが起こり、最終的にお互いが不幸になりますよね。
人事部門は求職者にどういう価値がを与えられるのかを言語化し、適切なチャネルを通じて適切に情報発信していく必要があります。ここで求職者をお客様と捉えると、実は採用業務プロセス全体にマーケティング思考が必要になってくるわけです。
採用はできても、すぐやめられてしまっては意味がありません。従業員のエンゲージメントを高め、気持ちよく働き続けてもらう必要もあります。採用が顧客獲得なら、顧客維持(リテンション)に当たる部分であり、これもマーケティングの重要な機能ですね。
自社のお客様、未来のお客様、お客様の属するコミュニティーや社会のために視野を広げて何ができるか。「マーケティング4.0」あるいは「マーケティング5.0」といった新しい考え方も広がりつつある中でマーケティングの重要性はますます高まってきています。マーケティングを専門にキャリアを磨いていく人にとって活躍のチャンスは広がっています。それと同時に、あらゆる従業員がマーケター視点を持って、それぞれの定義する「お客様」と向き合い続けるべき時代なのではないでしょうか。
一緒に働く人募集のお知らせ
織茂さん、本日は貴重なお話しありがとうございました。
採用の話が出ましたが、アイティメディアではあらゆる職種で一緒に働く方を募集しています。
下記ページより、アイティメディアの各ポジションの募集要項・募集状況が確認できますので、ぜひご確認くださいませ!
https://hrmos.co/pages/itmedia
ご感想はこちらよりお寄せください。