Webセミナー配信のメリット、方法、成功のコツから事例までを解説
最終更新日:2024/10/30
コロナ禍をきっかけに急速に普及したWebセミナーは企業におけるマーケティング活動の重要な施策の1つです。開催側としてWebセミナーを適切に運営・配信して成果を上げるためのポイントを解説します。
本記事でわかること |
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目次[非表示]
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Webセミナーとは何か
Webセミナーとは、オンラインで開催されるセミナーのことです。ウェビナー、オンラインセミナーとも呼ばれています。2020年のコロナ禍をきっかけに実際の会場を使った(リアルでの)イベント自粛が相次ぎ、同時にWeb会議システムが注目されたことで、国内でも多くの業種・業界でWebセミナーを配信するようになりました。
Webセミナーでは、企業向け個人向け問わず、従来のリアルなセミナーで行われていた講演、相談会、研修、製品デモなどさまざまな内容が実施されています。
Webセミナーとリアルセミナーの比較
Webセミナーとリアルセミナーの比較表は以下の通りです。
方式 |
リアルセミナー |
Webセミナー |
開催コスト |
高い |
低い |
参加コスト |
高い |
低い |
参加可能な人数 |
上限あり |
上限なし※
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※利用するシステムによっては参加人数に制限がある場合があります
Webセミナーはリアルのセミナーに比べて、主催者側、参加者側にとって負担が軽く済むのが最大の特徴です。主催者は会場設営コスト、当日の運営スタッフ確保を気にする必要はなく、参加者側は移動にかかる交通費と時間を削減できます。
さらにWebセミナーは参加人数の制約が少ないという特徴があります。リアルセミナーには会場の広さなどによる物理的な定員がありますが、Webセミナーの場合は、利用するシステムによっては千人を超える人が同時に参加することもできます。また、後述するオンデマンドでの配信であれば参加人数に上限はありません。
Webセミナーでできること
Webセミナーの配信では、おおむね以下の機能を利用できます。
- 配信方法の選択
- 双方向のコミュニケーション
- オンラインレポート
- データダウンロード
後述しますが、Webセミナーにはライブ配信のほか、録画を活用した多様な配信方法があります。ライブ配信・疑似ライブ(シミュライブ配信:映像は事前収録しチャットなどでの受け答えはライブで行う)の場合は、参加者と双方向のやり取りもできます。リアルセミナーでは質疑応答の時間で行っていたコミュニケーションも、Webセミナーではチャット などを用いて随時行うことができるため、より気軽にできるようになっています。
配信プラットフォームによっては、オープンチャットしかできないものもあれば、1to1のチャットができるものもあります。後者であればセンシティブな内容でも質問できるので、BtoBセミナーにはおすすめです。
またWebセミナーのメリットはデータ活用がしやすいことです。例えば、どの視聴者がどのくらい視聴したのか、どんな資料を見たかなどを把握しやすく、Webセミナー配信システムによっては、こうしたデータをグラフで表示するなどのレポート機能を持つものやデータを直接ダウンロードする機能を利用できるものもあります。
Webセミナー配信のメリット
アイティメディアが実施したアンケートから、コロナ禍以降はセミナー参加がほぼオンライン(Webセミナー)になっている実態が分かっています。
セミナー参加者の98%がほぼオンライン(Webセミナー)になっている
リアルのセミナーと比較して、Webセミナー配信にはオンラインならではの以下のメリットがあります。
- 開催コストが比較的かからない
- 運営リソースが少ない
- 場所や時間に縛られない
- 視聴データの分析と活用が容易
- 録画(アーカイブ)利用ができる
- 遠隔地からも参加できるため、専門性の高いテーマでも開催できる
先述のように、開催や運営の負担が少ないこと最大のメリットです。そのほかにもメリットとして、データの活用と録画(アーカイブ)活用による資産化があります。見込み客のオンライン上の行動はデータとして記録されるため、そのデータを活用しながら、見込み客に対して効果的なフォローを行うことも可能です。Webセミナーは録画することで、マーケティング施策に繰り返し使用できることも大きなメリットでしょう。
Webセミナー配信における課題
もちろん、Webセミナー配信はメリットばかりではありません。例えば以下の課題もあります。
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情報収集段階の見込み客が多い
一般的にWebコンテンツは幅広い対象を集めがちです。Webセミナーの視聴者も、リアルセミナーのようにわざわざ足を運んで参加するような熱心な参加者ばかりではないことに注意が必要です。しかし、参加しやすいということは、多忙な役職者や決定権限者が参加しているケースもあり、今まで取りこぼしていた見込み客をすくい上げるチャンスであるともいえます。
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視聴者の反応がつかみづらい
Webセミナーでは同じ場所にいないということもあり、講演者は視聴者の反応がわかりづらく配信が一方的になる可能性があります。もちろん、これも運用次第であり、投票やアンケート機能をうまく活用して、参加者を飽きさせず、反応を伺う工夫をすることも可能です。
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優先して営業フォローすべき対象がわかりにくい
Webセミナー配信では、熱心な参加者、つまり営業アプローチをかけるべき参加者が分かりづらいという側面があります。この対策としては、アンケートへの回答状況や質疑応答の利用状況、資料の閲覧状況、視聴時間などの行動データを分析したり、MA(マーケティング・オートメーション)ツールを活用して見込み客の関心度を測ったりするとより効果的に運用できるでしょう。
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参加者が多いと安定した配信が難しい
利用しているシステムや通信インフラによってはセミナーを安定して配信できない可能性もあります。不安がある場合は、安定した大容量の通信回線が利用できる配信スタジオを借りたり、ネットワークに負荷がかかるライブ配信ではなく、オンデマンド配信や疑似ライブ配信(シミュライブ配信)を選択したりすることが大事です。
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離脱されやすい
Webセミナーのメリットは時間や場所の制約を受けない「参加しやすさ」がありますが、 “ながら参加”や”すぐに離脱できる”をメリットと捉える声も多くあります。参加者へのメリットは配信側にはデメリットであることに注意が必要です。
参加者が感じるWebセミナーのメリット
Webセミナーの配信方法
主要な3つの配信方法
Webセミナーの主要な配信方法には以下があります。
- ライブ配信
- オンデマンド配信
- 疑似ライブ(シミュライブ)配信
ライブ配信は、文字通り生放送の配信方式であり、従来型のセミナーにもっとも近い方式といえるでしょう。時間を決めて、その時間に参加者それぞれの環境から視聴してもらう方法です。
オンデマンド配信は、録画配信とほぼ同義であり、あらかじめ録画した映像を用意しておき、参加者の好きなタイミングで見てもらう方法です。
疑似ライブ(シミュライブ)配信は上記2つを折衷した方式で、疑似的なライブ配信を行います。つまり、事前録画・編集したセミナー動画を配信しつつも、質疑応答など一部の内容はリアルタイムに行う方法です。
ライブ配信と疑似ライブ配信の2つは、通常のセミナーやイベント同様、指定の日時にWebセミナーを配信することで特別感を出すことができます。なお参加者の観点からは、タイムシフト配信(追っかけ再生)機能のある配信システムであれば、開催時間に少々遅れて来ても倍速視聴すれば追いつけます。
さらに、Webセミナー参加者の視聴後の傾向として、問い合わせや検討に移るケースは20%と低く、情報収集をさらに進めるケースが80%と大半を占めます。Webセミナー配信中は見込み客に対してクロージング誘導はせず、視聴後に見てほしいコンテンツを紹介するのがベターです。
Webセミナー参加後は問い合わせより情報収集をさらに進めるケースが多い
Webセミナー、3つの配信方法のメリット・デメリット
これら3つの配信方法のメリットとデメリットをまとめると以下の通りです。
メリット |
デメリット |
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ライブ配信 |
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疑似ライブ配信 |
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オンデマンド配信 |
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ライブ配信は生放送なので不意に起こるトラブルのリスクがありますが、参加者の反応を当日の進め方に生かせるため、Webセミナーを効果的に運営でき、参加者の高いエンゲージメントや満足度を得ることができます。
オンデマンド配信の場合はそうした参加者への働きかけはできませんが、配信のリスクは非常に少なく、主催者側の心理的な負担は少ないといえるでしょう。
Webセミナーの配信方法を選ぶポイントは双方向性がどれだけ求められるかどうかです。Webセミナーの講演者と参加者の相互交流、もしくは参加者同士での共同作業が必要な場合はライブ配信が望ましいでしょう。セミナー開催中の質疑応答やサポート提供ができればよい場合は疑似ライブ配信の方がWebセミナーの配信リスクが低く、臨場感も出すことができるためおすすめです。
Webセミナー運営の流れと準備
Webセミナーを運営するにあたって、ここではおおまかなスケジュールや事前に準備すべきものを確認しましょう。
Webセミナー配信までのスケジュール
Webセミナーを配信するまでのスケジュール目安は以下のとおりです。(疑似ライブの場合の例)
スケジュールの目安 |
内 容 |
2カ月前 |
企画内容の打合せと講師候補の検討 |
6週間前 |
講師アサイン、プロジェクト開始、コンテンツ制作の着手 |
5週間前 |
集客用メール原稿制作 |
4週間前 |
集客(登録)用ページ公開、集客開始 |
~1週間前 |
集客状況の確認、フォロー準備 |
2週間前まで |
Webセミナー収録 |
1週間前 |
配信テスト、運営関係者打ち合わせ |
当日 |
Webセミナー配信、参加者フォロー実施 |
後日 |
オンデマンド配信開始 |
あくまで目安であることにご注意ください。例えば、講師のアサインは早ければ早いほどスケジュールを押さえやすくなります。
肝心の集客はWebセミナー開催の1カ月前から始めることをおすすめします。アイティメディアの調査では、開催の数週間前に申し込みする参加者が多いためです。
Webセミナーの申し込みは開催の数週間前が多い傾向
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Webセミナー収録・配信場所
Webセミナーの収録や配信はどこからでも可能です。自宅からのリモート収録・配信のほか、最近では配信に対応した貸しスタジオも多く見られます。
Webセミナーの収録に関する注意ポイントは、収録場所と安定したネット環境(できれば有線LAN)の確保を早めに行うことです。なお、ライブ配信のトラブルの多くはネットワークに起因するケースが多いため、安定したネットワークを用意できない場合は、疑似ライブやオンデマンド配信を選定することをおすすめします。
配信用の機材
最低限、内蔵のマイクとカメラを搭載したPCがあればWebセミナーの配信は技術的には可能です。しかし、どんなに内容が良くても、音声や映像品質が悪いと離脱されてしまい、高い満足度を提供できない恐れがあります。そこで、Webセミナーの配信では以下のような機材を用いるのが理想的です。
- 外部マイク(スタンドマイク/ピンマイク)
- ビデオカメラ
- ライト(登壇者を照らす照明)
音質が悪く、話者が何を言っているかわからないのは致命的です。講師の声が聞き取りやすいように、マイクを別途用意します。PCの内蔵カメラは視野角が狭く、加えて室内の照明だけでは明るさが不足しがちです。撮影用のカメラとライトはできるだけ用意しましょう。
本格的なライブ配信を希望する場合、Webセミナー配信を行う事業者が提供する機材を利用するのがおすすめです。
Webセミナー成功のコツ
Webセミナーの配信を成功に導くには、全体を見渡した工程設計がカギになります。ここではWebセミナー運営における全体設計と、メインとなるセミナー企画設計のポイントを説明します。
Webセミナー運営における全体設計のポイント
Webセミナー運営における全体設計のポイントは、セミナー参加者の期待に応えつつ、自社の営業成果につなげることを考慮に入れることです。そのためには、参加者の満足度だけでなく案件化率(商談化率)などの目標を設定したうえで、それを評価する体制を設けることが大事です。
Webセミナーの満足度を高めるコツ
参加者が求めるコンテンツをきちんと提供できるかどうかで、Webセミナーの満足度は大きく左右されます。満足度に直結する一番のポイントは、情報の量と質です。自社がターゲットとする顧客のニーズや課題を見極めた上で、企画やコンテンツがセミナー参加者のニーズに応えたものになっているかどうかを慎重に検討しましょう。
また、一般的に購買の検討段階には、大きく分けて「初期(情報収集)」「中期(比較検討)」「後期(最終選定)」の3段階があります。見込み客の段階に応じて求める情報も異なります。参加ターゲットの検討段階に応じたコンテンツを提供できればさらに満足度が高くなります。
また、事前告知やタイトルと、実際のWebセミナーとの整合性は満足度に強く結びついていますので、慎重に検討した方が良いでしょう。
検討段階別Webセミナーに期待する内容
Webセミナー配信サービスを手掛ける会社の中には、内容の企画から依頼できることもあります。事前に打ち合わせを行い、セミナーの趣旨やターゲットに合った開催タイトル、講演内容、講演者案を提示してもらうことが可能です。講演者のアサインや打ち合わせ、各種調整などにも対応してもらえることがあるので、そういった会社を利用するのも良いでしょう。
Webセミナーの満足/不満に直結するポイント
Webセミナーで成果を出すコツ
マーケティングの観点から見れば、Webセミナー配信の成果は、最終的にどれほど案件化・商談化につながったかで判断するべきでしょう。そのための短期的な目標としては「お問い合わせの増加」「顧客とのエンゲージメント強化」を設定しておく必要があります。
そのためには、データを用いた参加者の定量的な評価と、配信後のフォローが肝です。配信システム上で収集した視聴時間や閲覧した資料などの行動データや、配信時の質疑応答・アンケートなどによる評価などから参加者のエンゲージメント度合いを見極め、それに応じて、Webセミナー後に適した情報提供を行うといったフォロー施策を作成する必要があります。
Webセミナー後のアクションとして、追加の情報収集を行う参加者も多くみられます。そのため、Webセミナー内で、閲覧を推奨するコンテンツの案内や続編のWebセミナーなどをまとめて告知・誘導することで、エンゲージメントを高められる場合もあります。
また、約50%が社内関係者への情報共有を経験していると言われており、社内共有用の資料やサマリーをダウンロードできるようにしておくのもよいでしょう。
Webセミナー参加後のアクション 約50%が社内関係者へ情報共有している
Webセミナーの講演設計ポイント
前項ではWebセミナーの全体的なポイントを説明しましたが、ここでは、実際の進行に関わる講演設計のポイントを解説します。企画内容をどうプレゼンすれば参加者に飽きずに視聴してもらえるか、さらに参加者の意欲を高めるテクニックも紹介します。
参加者を飽きさせないWebセミナーのポイント
Webセミナーには場所を選ばず気軽に参加できるメリットがありますが、逆に言えば、面白くないと判断されれば簡単に離脱されてしまうデメリットでもあります。つまり、リアルのセミナーよりも参加者を飽きさせない工夫が求められるといえます。そこで、例えば以下のポイントに注意するとよいでしょう。
- 相手が聞きたい内容の構成に
- ゆとりをもたせた進行
- 資料は補足、説明を主に
こちらが伝えたい内容よりも、参加者の興味・関心に沿った内容構成にすることを心がけるとよいでしょう。時間配分も大事であり、やや余裕を持った進行のほうが、参加者に過度の集中力や緊張を強いることがありません。
また、Webセミナーのメインはあくまで講演や説明による情報提供です。読めば理解できる完成された資料だと、わざわざ説明を聞かなくてもよいと判断され、次第に飽きられてしまいます。グラフや数字を入れたり、見やすい大きさの文字サイズにしたりするなどビジュアルにも配慮しましょう。
参加者の意欲を高めるテクニック
Webセミナーをただ配信するだけでは抑揚のない映像になりがちで、視聴意欲も低下しがちです。以下のテクニックを用いて視聴意欲を高め、参加者にとって有意義なセミナーにしましょう
- 冒頭のアイスブレイク
- 一方的な紹介よりも共感を軸に
- 視聴者からのアクション引き出し
まず、参加者の心理的な距離を縮め、講演者との一体感を持ってもらうのがコツです。冒頭のアイスブレイクから、共感を呼び起こすエピソードやお悩み事例の紹介、それから商材の説明に移るほうが、最終的に講演者の主張を受け入れてもらいやすくなります。
Webセミナーの配信システムが備えている投票機能をうまく活用するのも1つの方法です。ただ答えてもらうだけでなく、その結果をすぐに開示して全体の中での各自のポジションを知ってもらうなど、興味を持たせることもできます。ほかにも、公開の質疑応答セクションで、まずは事前に集めた質問に答えて勢いをつけると、視聴者も質問がしやすくなります。
Webセミナーの活用ポイント
上記にWebセミナーの配信方法や配信のコツなどを説明しました。リアルセミナーより開催にかかる労力は少ないとはいえ、それでも企画・集客・当日の配信などを考えると、すぐに行えるわけでもありません。
そこで、Webセミナー配信サービスを手掛ける会社の集客力や企画力を利用することにより、以下のようなWebセミナーの活用ポイントを作ることも可能です。
1.外部有識者やモデレーターをいれたパネルディスカッション形式での配信
たとえば、話題の時事トピックを専門家に解説してもらうなど、ターゲット客に有用なコンテンツで集客し、自社関連商材の紹介・告知をすることもできます。
2.Webセミナー動画の二次利用
後日動画をオンライン展示会で配信したり、リード獲得を目的として自社のWebサイトに掲載するなど、1回のWebセミナー配信にとどまらず、二次利用することもできます。
Webセミナーの配信事例と効果
Webセミナー配信では一連の流れで何を行うのか、具体的なイメージを持っていただくために、実施例のほか、企業にもたらした効果を紹介します。
当社配信事例
まずはアイティメディアのWebセミナー配信事例をご紹介いたします。
・1つの企画で複数のWebセミナーを運営
登録後の最初のページ(エントランス)でブランディングを実施。このエントランスを起点にして、各Webセミナー(セッション)間を行き来したり、Webセミナー視聴中に他のWebセミナーへ遷移したりすることも実現しました。参加者には、セミナーごとに視聴前アンケートに回答してもらい、誰がどのWebセミナーを見て、アンケートにどのように回答したかオンラインレポートで即時集計しました。
1つの企画(イベント)で複数のWebセミナーを運営したページ例
・ Webセミナー開催時
ライブ配信、疑似ライブの場合は、主催者側は配信システムの管理画面を常にチェックし、講演中に次々届く質疑応答に複数人で個別に応対しながら視聴者とのエンゲージメントを高めました。
Webセミナー開催時の管理画面例
・Webセミナー開催後
Webセミナーが無事終了しても、気は抜けません。参加者の興味関心度合いの見極めと営業への引き継ぎ、アプローチが必要です。配信後に配信システムから視聴結果、視聴者情報を含む速報値をインサイドセールスや営業部門に連携しました。Webセミナーの配信システムによってはシステム間の連携機能があるので、Webセミナーの履歴情報を他システムへシームレスにデータを流し込むこともできます。
事例1:幅広い地域のリードを獲得し、営業への共有も迅速化
大阪ガスグループのシステムインテグレーターであるオージス総研では、コロナ禍で開催できなくなったリアルセミナーの代わりにWebセミナーを採用して成果を挙げた企業の1社です。
アイティメディアのWebセミナーサービスを利用し、登録・告知ページ作成、登録者の管理、セミナー配信、レポート分析までを一元管理できるプラットフォームを用いてWebセミナーを実施。オンラインになったことで運営・配信にかかるコストと手間が削減されたほか、セミナーの開催地が東京に偏っていた従来に比べて幅広い地域から参加者を取り込めるようになったといいます。
さらに、申込時の参加者情報やアンケートはシステム上で管理され手軽に入手できるようになったため、営業担当へリードを提供するスピードが劇的に向上。オフラインセミナーを実施していた従来よりもリードへのフォローを素早く行えるようになりました。
事例2:少ない負荷で良質なリード獲得
ある外資系セキュリティベンダーでは、限られた人員で大量のリードを管理する分業体制を確立したものの、まだいくつか課題を抱えていました。資料制作やセミナー開催の負担が重く、また地理的にも時間的にもセミナーに参加できない層へアプローチできていなかったため、潜在的なリードを取りこぼしていたのです。
そこでこの企業では、参加のハードルが低く開催負担が軽いWebセミナーへの切り替えを決断しました。
最低限の人員と、一般的な配信設備でWebセミナーを行えるようになったことで、リアルセミナーよりも少ない負荷で潜在的な見込み客へ効率的にアプローチできるようになったほか、SQL(Sales Qualified Leads ※営業が動くための商談確度が高いリード)への創出にもつながっています。
Webセミナー配信にあたっての6つの疑問
ここではWebセミナーの配信にあたって疑問を持ちやすい質問に回答します。
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Q1. 参加者とのコミュニケーションはどれだけ可能ですか。
Webセミナーの配信システムによりますが、以下のような機能を使って視聴者の反応を得ることができます。・視聴者からリアルタイムにQ&Aを受け付けられるチャット
・視聴画面にポップアップで表示できる投票機能
・セッション終了後に記入できるアンケート など -
Q2. オンラインレポート機能ではどのようなことがわかりますか。
視聴者の登録状況や視聴有無、おおよその視聴時間、流入経路、アンケート結果などがわかります。そのほかリアルタイムレポートでは、リアルタイムのユーザー数、入出状況、ライブ投票の結果などを確認できます。
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Q3. スケジュールの目安を教えてください。
配信日より60日前(2カ月前)を目安に、企画や登壇者のアサインを開始し、30日前には集客(登録)ページを公開するのが一般的です。
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Q4. 収録・配信場所はどうすればよいでしょうか。
配信環境と周辺機器が整っていれば、自宅からリモートでも、外部の収録施設を利用しても収録・配信が可能です。
いずれにしても、本番前に配信環境が整っているかどうか、チェックしておきましょう。 -
Q5. 配信機材について教えてください。
PCの内蔵カメラ・マイクを使った方式も、プロ用機材を使っての配信どちらでも可能です。
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Q6. ライブ配信と疑似ライブ配信はどちらがおすすめですか。
参加率の点では差は特にありません。疑似ライブ配信については、当日ライブで行っているように配信するため、視聴者にとっては、プレミア感という点ではライブ配信とかわらないためです。当日、登壇者のスケジュール調整が難しい場合は、事前収録型の疑似ライブ配信を選択する傾向があります。事前収録は失敗しても撮り直しができることから、収録に長時間かかることもあり、ライブ配信で実施されるケースも多いです。
まとめ
Webセミナーはリアルセミナーに比べて少ない負荷でリード獲得したり見込み客の育成をしたりできる手段として、有効なマーケティングの施策です。適切な配信方法の選定とシステムを準備した上で、視聴者を飽きさせないようなコンテンツの企画・設計、オンラインならではのデータを生かした他のマーケティング施策との連携など、より効果を高める取り組みを進めてみてください。