デジマのあれこれ

デジタルマーケティングとは?今さら聞けない定義から重要性、主な手法をわかりやすく解説

最終更新日:2024/1/12

デジタルマーケティング

 デジタルマーケティングとは、WebサイトやSEO、SNS、デジタル広告やMA、さらにはビッグデータやAIまで、デジタル領域のあらゆる技術や方法を用いたマーケティング手法のことです。
本記事では、デジタルマーケティングの概要や目的、具体的な方法、実例などを解説します。


本記事でわかること

  • デジタルマーケティングとは何か、目的・重要性
  • デジタルマーケティングとWebマーケティングの違い
  • デジタルマーケティングの主な手法


目次[非表示]

  1. 1.デジタルマーケティングとは
  2. 2.デジタルマーケティングの目的・重要性
  3. 3.デジタルマーケティングとWebマーケティングの違い
  4. 4.デジタルマーケティングとインバウンドマーケティングの違い
  5. 5.デジタルマーケティングの主な手法7選
  6. 6.デジタルマーケティングのKPI設定方法
  7. 7.カスタマージャーニー(フェーズ)ごとに提供すべきコンテンツ
  8. 8.デジタルマーケティングの活用事例
  9. 9.まとめ

デジタルマーケティングとは

 デジタルマーケティングとは、デジタル技術を用いたマーケティング手法のことです。
従来のマーケティングは雑誌広告やポスティング、看板、ポスターといったアナログな手法が主でした。一方で、デジタルマーケティングはメールマーケティングやオウンドメディア、Web広告、SNS運用に限らず、デジタル広告やMA※1、ビッグデータ、CRM※2、AIなどデジタル分野のあらゆる手法を用います。

※1 MA(Marketing Automation)…見込み客の情報をデジタルで管理し、ユーザーの状況に合わせて最適なマーケティング施策を自動化で実行するためのツール
※2 CRM(Customer Relationship Management)…顧客の行動や情報をデジタルで管理し、データを用いて顧客エンゲージメントを強化することで売上や利益の最大化を目指すツール

以下では、デジタルマーケティングの特徴について2点解説します。


特徴1.オムニチャネル

 企業と顧客の接点(チャネル)はオンラインとオフラインで分かれますが、これらをシームレスに連携・統合させることを「オムニチャネル」と呼びます。例えば、ECサイトと実店舗の情報を連携し統合させることで、顧客がどちらも分け隔てなく利用できることも、オムニチャネルの1つと言えます。

デジタルマーケティングでは、チャネルごとに情報が分断されずシームレスにつながった状態を理想としています。そのためには顧客情報、購入履歴、在庫情報といったデータの管理だけでなく、これらの情報の分析や顧客へのアプローチまで、すべてを境目なくつなぐことが重要です。




特徴2.データドリブン

 「データドリブン」とは、収集・蓄積した情報に基づいてさまざまな意思決定を行うことです。デジタルマーケティングでは、データをもとに顧客理解を深め、販促・プロモーション計画を立案し、効果計測ができる状態でマーケティング施策を推進することです。

データドリブンなデジタルマーケティングの魅力は、営業・マーケティング担当者個人の経験や勘、先入観に依存せず、客観的なデータに基づいて効率的・効果的な手法で顧客へのアプローチを実施できることです。
データドリブンにはデータの収集・管理・分析が欠かせません。MAやCRMといったツールを導入・活用することで、データドリブンを推進する環境を整えることが必要です。



デジタルマーケティングの目的・重要性

 そもそもデジタルマーケティングは何のために行い、なぜ重要視されているのでしょうか。ここでは目的と重要性について解説します。


デジタルマーケティングの目的

 デジタルマーケティングの目的は、あらゆるデジタル施策をもって営業やマーケティング業務を最適化し、売上・利益の最大化を目指すことです。そのためには、ユーザーデータを蓄積・分析して、それぞれの見込み客(リード)のニーズに見合った最適なアプローチを実施する必要があります。

デジタルマーケティングの重要性

 デジタルマーケティングは、現代のビジネスにおいて重要な戦略の一部となっています。
ユーザーはオンライン上で積極的に情報収集を行うようになったことから、企業側もデジタル広告やメルマガ、SNSといったユーザー環境に対応するデジタルマーケティング施策が不可欠になってきています。
さらに、見込み客に適切なタイミングで、適切な情報を届けることで顧客満足度をより高めることができます。

デジタルマーケティングとWebマーケティングの違い

 デジタルマーケティングとは、先述した通りデジタル分野のあらゆるマーケティング手法の総称であり、その中には「Webマーケティング」も含まれています。Web広告やSEO、SNS運用、オウンドメディアなどを駆使し、主にWebサイト上で顧客とのコミュニケーションを図るのがWebマーケティングの手法です。

対して、デジタルマーケティングはIoTやAI、ビッグデータ、モバイルアプリなどの最新テクノロジー、およびWeb以外で発生するデジタルデータなども統合して顧客情報を管理し、顧客一人ひとりとのコミュニケーションを実現する手法です。


デジタルマーケティングの範囲


マーケティングとデジタルマーケティングの関係性

 「マーケティング」とは、顧客のニーズを満たすための企業活動の総称です。商品・サービスを求めるペルソナ(仮想の典型的な顧客像)を定めることや、売れるストーリーや商品を届ける仕組みを築くこと、そのすべてがマーケティングに該当します。デジタルマーケティングも、企業が顧客のニーズを満たすための手段の1つであり、マーケティングの範疇です。

マーケティングでは「3C分析」や「SWOT分析」、「5F分析」といったさまざまなフレームワークを用いますが、この考え方はデジタルマーケティングにも活用できます。


デジタルマーケティングとインバウンドマーケティングの違い

 「インバウンドマーケティング」とは、見込み客側に商品・サービスを見つけてもらい、あらかじめ関係を築いてから営業をかける手法です。「アウトバウンドマーケティング」はその対極にある手法で、企業側から顧客に売り込む手法です。つまり、販売活動の主体が見込み客にあるか(プル型)、企業にあるか(プッシュ型)という違いです。

デジタルマーケティングは、インバウンドマーケティング(プル型)とアウトバウンドマーケティング(プッシュ型)を併用するケースがあります。例えば、自社サイトに調査レポートなど有益なコンテンツを掲載してダウンロードしてもらい(プル型)、ダウンロード時に取得した連絡先へインサイドセールスし、見込み客に売り込む(プッシュ型)という方法があります。

インバウンドマーケティングが増えた理由

 これまでリーチできなかった潜在層にもアプローチできることが、インバウンドマーケティングが増えた大きな理由です。オウンドメディアやSNSなどから価値あるコンテンツを提供し続けることで、見込み客が自ら商品やサービスを探しにきてくれるように変化したためです。


デジタルマーケティングの主な手法7選

 一口にデジタルマーケティングと言っても、その種類は多種多様です。そのため、自社がどういった目的を持っているのか、どのような方法が適しているかを明確にする必要があります。ここからは、デジタルマーケティングの主な手法について具体的に解説します。

Webサイト運用

 Webサイト運用はデジタルマーケティングの基礎です。「問い合わせを増やす」「申し込みを獲得する」など運用の目的を定め、コンテンツを追加・更新しながらサイト内の回遊率を高めていくことが必要となります。アプローチは主に2種類あり、1つはアクセス解析です。Webサイトに訪れたユーザーの属性や行動などを分析し、目的の達成に役立てます。2つ目はSEO施策です。検索エンジンで上位表示されると、より多くのオーガニック流入を獲得できます。

コンテンツマーケティング

 ブログ記事や動画、ホワイトペーパーなど有益なコンテンツを提供することで、見込み客との関係を構築していく手法です。Webサイトにコンテンツを集約することで、SEO施策の一環としても効果を発揮します。一度の制作で会社の資産として何度も活用できます。見込み客のファン化にもつながる、非常に重要な施策です。

デジタル広告

 インターネット上に広告を出す手法です。検索キーワードをきっかけに広告を表示する「リスティング広告」や、過去のサイト訪問履歴を活用する「リターゲティング広告」、Webメディアで特集記事を組む「タイアップ広告」などさまざまな種類があります。
リスティング広告やリターゲティング広告は費用をかけることで確実にユーザーの目に届きます。タイアップ広告は掲載するWebメディアのPVや影響度が高いものであれば、より効果を期待できます。


メールマーケティング

 メール配信でキャンペーン情報や新商品のリリース情報などを提供する手法です。ホワイトペーパーや動画などの有益なコンテンツをメールで届けることで、見込み客との関係構築を図ることができます。見込み客の属性や行動履歴でセグメントし、特定の層にだけアプローチすることも可能です。

動画マーケティング

 動画マーケティングは、動画を通じて製品やサービスを宣伝し、販促活動を行うマーケティング手法のことです。短時間で多くの情報を届けられるのが特徴です。商品・サービス紹介や導入事例といった動画を制作し、マーケティング用に運用・展開するとより効果的です。

SNSマーケティング

 認知拡大やファン化、ブランドイメージの向上を目的に、FacebookやTwitter、InstagramなどのSNSを活用する手法です。昨今は検索エンジンではなくSNSで検索する人が増えており、またSNS上の口コミも見込み客の意思決定を左右するため、対策は欠かせません。

マーケティングオートメーション(MA)

 マーケティングオートメーションとは、データを一元管理することによって、見込み客との接触やマーケティング活動を効率化する手法です。例えば、「Webページを閲覧した」「メルマガ内のURLをクリックした」などの見込み客の行動から、自社への関心度をスコアリングし、そのスコアに応じて見込み客を分類することで、個別最適なマーケティング施策を実現することができます。

この他にも、AIを用いてWebサイトやアプリ上でユーザーの関心度に応じた商品・サービスをリコメンドする機能や、見込み客の情報収集を効率化するチャットボット機能など、デジタルマーケティングに寄与する手法やツールは多岐にわたります。


デジタルマーケティングのKPI設定方法

 デジタルマーケティングで目的を達成するためには、手法ごとにKPI(重要業績評価指標)を設定することが重要です。実績を把握して施策の効果を分析・改善するために、KPIの例を下図に記載します。

施策

主なKPI

説明
SEO
オーガニック検索順位
オーガニック検索における自社Webサイトの表示位置

コンテンツマーケティング

・ユーザーのページ滞在時間
・ブログアクセス数
・YouTubeチャンネル登録数
何人がサイトやブログにアクセスし、どれだけコンテンツを閲覧しているか
SNS
・フォロワー数
・インプレッション数
・シェア数
・Webサイトへの遷移数
ブランド認知やキャンペーンごとの反応

メールマーケティング

・開封率

・クリック率(CTR)
どのくらいの見込み客にアプローチできたか

デジタルマーケティングの施策ごとのKPIの例(重要業績評価指標)


カスタマージャーニー(フェーズ)ごとに提供すべきコンテンツ

 デジタルマーケティングでは、見込み客の段階に応じて適切なコンテンツを届けることが重要です。例えば、まだ自社の課題に気づいていない見込み客に対して、課題解決に役立つ製品・サービスを比較検討させるコンテンツを提供しても効果がありません。

見込み客の行動や購買意欲の変化をとらえ、商品・サービスの購入に至るまでのストーリーを可視化することを「カスタマージャーニー」と呼びます。カスタマージャーニーを把握することで、適切なタイミングで適切な情報を見込み客に届けることが可能となります。

下図では、フェーズごとに有効なコンテンツの種類を紹介します。


デジタルマーケティングの流れ

カスタマージャーニーと、フェーズごとに実施すべき施策

認知フェーズ

 広告やSNSなどで見かけて、課題に気づいた段階です。SEO施策やSNSで認知を広めるフェーズです。

解決策を視覚的にまとめた「インフォグラフィック」はSNSとの相性が良く、シェアしてもらうことで多くの方に認知を広められます。
YouTubeやInstagramのショート動画も、短時間で多くの情報を届けられるためおすすめです。

情報収集フェーズ

 課題に気づき、複数の解決策からどれが適切か検討している段階です。認知フェーズよりも詳細な情報をメールやウェビナーで提供すると効果的です。

「eBook」であれば、ブログ記事やインフォグラフィックよりも課題解決について詳しく解説できます。ダウンロードの対価として見込み客の連絡先(リード情報)を獲得することも可能です。
業界の最新情報や動向をまとめた「調査レポート」も有効です。メディアや業界誌で取り上げられることがあれば、さらなる認知拡大も見込めます。
「ウェビナー」はオンラインで開催するセミナーのことです。ウェビナーでは情報発信をしながら見込み客からの質疑応答にも対応することが可能であり、またその視聴情報や質問履歴をデータとして蓄積・活用することができます。


比較検討フェーズ

 商品・サービスの比較検討、最終決定段階にあるため、不安を解消してサービスの導入を促すコンテンツが効果的です。

「導入事例」は導入後の効果をイメージしてもらいやすくなります。既存顧客にインタビューし、導入の決め手や効果などを事例としてまとめるのが一般的です。導入事例よりも簡易な「お客様の声」もおすすめです。


デジタルマーケティングの活用事例

 デジタルマーケティングの手法のひとつに、ABM(Account Based Marketing)という、不特定多数ではなく個別の企業にフォーカスしたアプローチを行うマーケティング手法があります。

ABMは、営業担当者のスキルに依存せず戦略的かつ組織的にアプローチするために有効な手法で、アイティメディアが提供する「ABMレポート」を活用したことにより、成功している企業の実例を紹介します。

※「ABMレポート」はアイティメディアが運営するIT/産業の専門メディアに集まる会員の行動履歴データを分析することで、「どの企業が、どんなジャンルに関心を持っているのか」をいち早く把握することができる、営業・マーケティング支援サービスです。


ファイア・アイ株式会社様

<課題>
主に企業のサイバーセキュリティ対策を支援するファイア・アイは、2018年当時、マーケティングの基本的な基盤や営業との連携プロセスが整備されていませんでした。マーケティング部門と営業部門でゴールを共有できておらず、適切なアクションを起こせていなかったのです。

<ABMレポート導入の背景>
同社には「ADR」というマーケティングと営業をつなぐ役割を置いていましたが、部門同士の仲介役としては十分に機能していませんでした。

そこで、ABMレポートの導入により、マーケティング部門と営業部門がお互いの役割を理解しうまく連携させることで、効率的に質の高い案件創出を目指しました。

<効果>
ABMレポートの導入によって、ADRを含めてマーケティング部門と営業部門の連携を強化、適切な営業タイミングを把握できるようになった結果、アポイントからの案件化率66%を達成することができました。



  「ABMで組織が変わった」 ABMレポートを活用した新規案件創出の勘所 ファイア・アイ株式会社様 アイティメディア株式会社



まとめ

 従来のマーケティング手法だけでは十分な効果を得られなくなりつつある今、売上・利益の最大化を目指す手段としてデジタルマーケティングは重要度を増しています。

デジタルマーケティングでは各チャネルをシームレスに連携させて、蓄積した情報を活用するデータドリブンな取り組みが効果的です。
見込み客のフェーズに応じたアプローチを展開することで、効率的な案件創出につなげることが可能となります。

デジタルマーケティングを何から始めたら良いかわからないとお悩みの場合は、ぜひアイティメディアまでご相談ください。


デジマのあれこれ編集者
デジマのあれこれ編集者
アイティメディアで日々デジタルマーケティングに取り組みながら、デジマのあれこれの記事を執筆・編集しております。BtoBデジタルマーケティングに関する有益な情報をお届けすることに尽力します。
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