デジマのあれこれ

BtoB製造業のマーケティング施策 基本から事例までわかりやすく解説

最終更新日:2024/7/30

製造業マーケティング

製造業(メーカー)はデジタルマーケティングにどう取り組むべきなのか、事例とあわせて紹介します。


本記事でわかること

  • 製造業のBtoBマーケティングの基本
  • 製造業におけるデジタルマーケティングの活用
  • 製造業におけるマーケティングプロセスの重要ポイント


目次[非表示]

  1. 1.製造業のマーケティング戦略の基本
  2. 2.製造業のマーケティングで重要となる2つのポイント
  3. 3.BtoB製造業のマーケティングにおける課題
  4. 4.デジタルマーケティングの活用とおすすめしたい3つの施策
  5. 5.リード獲得とナーチャリング
  6. 6.製造業におけるマーケティングプロセスの重要ポイント3選
  7. 7.実際の成功事例
  8. 8.まとめ


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製造業のマーケティング戦略の基本

 BtoB製造業のマーケティング戦略において基本となるのは、顧客ニーズを満たす製品を開発し、広く知ってもらうことです。製品が顧客のニーズを満たさなければ、競争力を高めることはできません。そのためには、市場調査や顧客の声をしっかりと収集し、開発段階から顧客の要望を反映させた製品を作り上げ、それを効果的に広める必要があります。


製造業のマーケティングで重要となる2つのポイント

1.ブランド認知度の向上

 自社製品のブランド認知度を向上させることは、製造業のマーケティングで非常に重要です。自社の製品がどれだけ優れているかを顧客に伝えるためには、積極的な広報活動やプロモーション活動が欠かせません。製品やサービスの特徴・メリットを顧客にアピールし、信頼性と認知度を高める努力が求められます。デジタルマーケティングを活用し、オンラインでのプロモーションを強化することも効果的です。

2.市場動向の把握

 競合他社や市場の動向をしっかりと把握することも製造業のマーケティングには欠かせません。自社の製品やサービスの強みや差別化ポイントを明確にするためには、競合他社の製品やマーケティング手法をリサーチし、それを自社のマーケティング戦略に反映させることが必要です。市場分析を通じて、デジタルマーケティングを駆使し、最新の市場動向を掴むことで、競争力を高めることができます。


 以上が製造業のマーケティング戦略の基本的な要素です。製造業のマーケティングは、顧客ニーズを満たす製品開発と自社製品のブランド認知度向上、市場動向・競合のリサーチと把握を重視する必要があります。


BtoB製造業のマーケティングにおける課題

 製造業におけるマーケティング戦略の課題の1つに、インターネット上で検索される回数が少ないというものがあります。ニッチで専門的な製品を扱っていることが多く、一般的な検索エンジン利用者にはあまり検索されないため、認知度が低く感じられます。

製品に関する検索回数の少なさへの対策

 一般的に、製造業の製品に対する需要は特定の業界や顧客に集中しており、インターネット上で検索される回数が少ない場合があります。こうした課題への対策として、まずはターゲットとなる業界や専門家に対して直接アプローチすることが重要です。
具体的な方法としては、業界の専門メディアや外部のサービスを活用し、広告や記事などを掲載することが挙げられます。また、業界向けのオンライン展示会やイベントに参加し、積極的に情報発信しながら製品の認知度を高めることも効果的です。また、専門的なキーワードや業界用語を取り上げたコンテンツ作成やSEO対策などのデジタルマーケティングを取り入れることも重要です。

 適切なターゲットに対してアプローチすることで、製品の認知度や需要の拡大、競争力の向上を図ることができるでしょう。


デジタルマーケティングの活用とおすすめしたい3つの施策

 製造業のマーケティング戦略において、デジタルマーケティングを活用することは非常に重要です。デジタルマーケティングは、デジタル領域のあらゆる技術や方法を用いたマーケティング手法であり、製造業の製品やサービスを効果的に広くアピールするために有効です。


(1) Webサイト改善

 まず、製造業のマーケティングにおいては、Webサイトの改善が欠かせません。ユーザビリティや検索エンジン最適化(SEO)を考慮したサイト設計やコンテンツの充実、ユーザーが求める情報を簡単に見つけられるナビゲーション設計など、ユーザーがサイト上でスムーズに情報を得ることができるよう環境を整える必要があります。

(2)Web広告、記事広告やプレスリリースの活用

 また、Web広告や記事広告、プレスリリースの活用も有効です。リスティング広告やディスプレイ広告などのWeb広告を使って、製品やサービスの情報をユーザーに効果的に届けることができます。さらに、記事広告やプレスリリースを活用することで、新製品の発表や企業のニュースを広く発信し、ブランド認知度を向上させることもできます。専門情報を扱うメディアにバナーを掲載するのも効果的です。

(3)マーケティングオートメーションツールの使用

 また、製造業のマーケティングでは、マーケティングオートメーションツールの活用も重要です。マーケティングオートメーションツールを利用することで、リードの獲得やナーチャリングを効率的に行うことができ、顧客のデータを蓄積して活用することが可能です。顧客の興味や関心に合わせた情報を自動的に配信することで、効果的なマーケティングを展開できます。 

 デジタルマーケティングの活用は、製造業のBtoBマーケティング戦略において非常に重要な要素です。Webサイトの改善、Web広告や記事広告、プレスリリースの活用、そしてマーケティングオートメーションツールの使用を通じて、製品やサービスの情報を効果的に届け、見込み客に関心を持ってもらうことが求められます。 


リード獲得とナーチャリング

 製造業のマーケティングにおいて重要なポイントは、リード獲得とナーチャリングの戦略です。リード獲得は自社製品に関心を持った見込み客の情報を取得することです。一方、ナーチャリングは獲得したリードを育成し、購買意欲を高めるための活動です。

リード獲得(リードジェネレーション)とナーチャリングの基本

 まず、リード獲得(リードジェネレーション)は製造業にとって非常に重要です。見込み客の情報を獲得することで、将来のビジネスチャンスを生み出すことができます。リード獲得には、Webサイトやブログの設計、SEO対策を始めとするデジタルマーケティングの活用が有効です。外部のリード獲得サービスを利用するのも良いでしょう。

 一度リードを獲得した後は、ナーチャリングが重要となります。顧客のニーズや関心に合わせた情報提供やコミュニケーションを行いながら、関係を深めていきます。定期的なメールマーケティングやWebセミナー・オンラインイベントへの参加案内など、見込み客が求める情報を提供することが重要です。


マーケティング活動ステップのなかでの
「リード(見込み客)獲得」と「リードの育成(リードナーチャリング)」


ナーチャリングにおけるWebセミナーの活用

 現在、Webセミナーを活用したデジタルマーケティング施策も定着してきています。Webセミナーはオンラインで配信するセミナーのことを指し、時間や場所に捉われることなく、顧客への価値提供が期待できます。製造業においては、自社製品や技術についての詳細な説明やデモンストレーションを行うことができます。
Webセミナーを開催することにより、見込み客(リード)や既存顧客との関係を強化することが見込まれます。製造業特有の技術や製品に関心を持つ人々にとっては、貴重な情報収集の場となることでしょう。また、Webセミナーに参加されたことをきっかけに接点が増え、製品の購買意欲を高めるBtoBマーケティングの効果も期待できます。


 以上のように、リード獲得とナーチャリングは製造業のマーケティング戦略において重要な要素です。リードを獲得し、ナーチャリングを通して関係を深めながら、顧客との信頼関係を構築しましょう。


製造業におけるマーケティングプロセスの重要ポイント3選

 製造業におけるBtoBマーケティングの一連のプロセスで重視すべきポイントを紹介します。具体的には次の3点です。

  1. 多めのリード獲得
  2. 顧客接点の強化
  3. コンテンツの充実


1. 多めのリード獲得

 オンラインでのデジタルマーケティング施策でリードを集める場合、集める数は多めに考えておくべきです。獲得したリードに対して、定期的にメールなどで情報発信したり、インサイドセールスがコンタクトしたりしながら接触を続け、リードナーチャリングすることで案件化・商談化につなげる方法が効果的です。目標とする案件・商談の創出件数によって、獲得するリード数の目安を決めると良いでしょう。

製造業におけるマーケティングプロセスの重要ポイント:多めのリード獲得

獲得したリードのうち、商談化に至るのは一部であることを織り込んで施策を行う必要がある


2. まずは顧客接点を厚くする

 オンラインでのデジタルマーケティング施策で獲得したリードは直接接触する機会が少なく、温度感の確認が難しい場合があります。獲得したリードが大量である場合、営業担当者がすぐに電話して商談の打診を試みるのではなく、別のコンテンツの案内やセミナー案内を送付するなどリードとの関係強化に注力しましょう。
定期的に顧客とつながることで、今すぐには検討できない顧客が数カ月、数年後に検討する段階に達した際、自社を第一に思い出してもらえる可能性が高まります。

製造業マーケティング:自社商材への検討度・関心度に応じたリードの分類例
自社製品への検討度・関心度に応じたリードの分類例。
顧客育成の母体となる一定数の新規リードを継続的に獲得し、フォロー・育成することが重要


3. コンテンツの充実

 顧客が自身の好きなタイミングで必要な情報収集を行えるように、顧客の検討段階に対応したWebコンテンツを充実させることが重要です。これは、デジタルマーケティング活動の効率を高めることに加え、顧客にとって有益な情報を提供し、自社へのエンゲージメントを強化する目的もあります。

コンテンツのポイントは、自社独自の有益な情報を持っているかどうかです。インターネットの発展により、営業担当者に聞かなくてもさまざまな情報を収集できる現代において、顧客が必要とする情報であり、自社独自の情報を提供することが重要です。自社のホームページはもちろん、外部の専門情報メディアを活用して記事作成を依頼し、それを再利用することも有効です。


実際の成功事例

 最後に、製造業の企業および製造業向けビジネスを展開する企業によるデジタルマーケティング事例を3つ紹介します。各企業はマーケティング上の課題をどのように解決してきたのでしょうか。

事例1:Webセミナーを活用して効果的な展示会に

 各種の工作機械の製造業である三菱重工工作機械様(現:日本電産マシンツール株式会社様)はデジタルマーケティングの一環としてWebセミナーを活用し、展示会におけるBtoBマーケティングの課題を解決しました。
同社が抱えていた課題は二つありました。一つは、展示会の自社ブースの集客数です。もう一つは、来場者がどのようなニーズを持って展示会に参加しているのかを把握しきれていなかったことです。
同社は展示会に先立ってWebセミナーを開催し、その中で展示会への出展を告知し、視聴者の8割に来場してもらうことに成功しました。また、Webセミナーで展示内容やその要点を事前に紹介した上で、アンケートを通じて視聴者の来場ニーズを把握し、購買意欲が高いと判断した視聴者向けに展示会会場での商談ブースを用意することで、効果的な展示会運営を実現しました。


製造業のマーケティング:展示会前のWebセミナー申し込み画面
Webセミナー申し込み画面


事例2:新たなターゲット層の開拓に外部のリード獲得サービスを活用

 主に自動車業界向けに組み込みシステム開発を支援するBtoBソリューションを提供しているベクター・ジャパン様の事例です。同社は、新規領域開拓を目指して新たなデジタルマーケティング施策の実施を決定、具体策としてオンラインリード獲得サービスの活用を選択し、自動車業界以外の良質な母集団(ハウスリスト)の創出に成功しました。

同社は新領域開拓を目指していましたが、自動車業界以外での認知度が低く、他業界での良質なリード獲得に課題がありました。主力の自動車業界以外にアプローチする体制が未整備だったうえ、インサイドセールスの電話も苦戦していました。そこで、まとまった新規リードの獲得には外部サービスの活用がベストとの判断に至りました。同社はアイティメディアのサービスを採用し、わずか5日間で50件のリード獲得に成功するなど、スピーディーな成果創出とリード単価のコストパフォーマンスを評価しています。リード獲得で顧客とのコンタクト率が大きく向上し、2020年度はリード案件化率が30%弱に達しています。


  新領域開拓を目指したリード獲得、案件化率「3割」を達成 ベクター・ジャパン株式会社様 アイティメディア株式会社 ITmedia Inc.


事例3:単独でリーチ困難な客層のアプローチに外部サービスを活用

 同じく、製造業の顧客が多いCADソフトベンダーのソリッドワークス・ジャパン様の事例も紹介します。同社は、10年以上アイティメディアのオンライン展示会に出展し、自社単独のマーケティング施策でリーチできなかった層からのリード獲得に役立てています。同社は商材特性もあってデジタルマーケティングを戦略上の重要施策と位置付け、オンライン展示会にも意欲的に取り組んでいます。
オンライン展示会への出展により、商材レンジや成約ボリュームからマーケティングのメインターゲットとしにくいリードを獲得できているといいます。自社でデジタルマーケティングの打ち手を尽くしていても、外部サービスの活用によってさらなる拡販が望める製造業のデジタルマーケティングの好例といえるでしょう。


まとめ

 製造業のBtoBマーケティングでは、顧客開拓活動をリアルの展示会出展やセミナー開催、営業担当者による活動に依存している企業はまだまだ多いでしょう。しかし、製品やサービスを効果的に広くアピールするため、デジタルマーケティングの活用も非常に重要な要素です。本稿で紹介したポイントや事例を参考にしながら、試行錯誤を行い、ぜひ自社にあった最適なBtoBマーケティング戦略を見つけ出してみてください。



本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責はデジマのあれこれ編集部に帰属します。

デジマのあれこれ編集者
デジマのあれこれ編集者
アイティメディアで日々デジタルマーケティングに取り組みながら、デジマのあれこれの記事を執筆・編集しております。BtoBデジタルマーケティングに関する有益な情報をお届けすることに尽力します。
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