新規層開拓に向けSaaS Expoに出展、
リードの商談化率は8%に

ドキュサイン・ジャパン藤原様
ドキュサイン・ジャパンでイベントマーケティングを担当する、
フィールド・パートナー マーケティング・マネージャーの藤原由起子氏

「メディア主催だからこその集客力、一定レベル以上のリードの獲得を通じ、やはりアイティメディアのイベントの信頼性は高いと感じました。」

ドキュサイン・ジャパン株式会社

フィールド・パートナー マーケティング・マネージャー
藤原由起子氏

導入背景と課題 自社ではアプローチできない新規層へのリーチ
導入内容

アイティメディア主催イベント「ITmedia SaaS Expo」への出展

利用による効果

イベント獲得リードの商談化率8%を達成

新たな層の開拓

記事公開日:2022年02月09日
 2003年米国で創業以来、電子署名テクノロジーのパイオニアとして世界各国で文書のペーパーレス化や電子契約を牽引してきたドキュサイン。日本でも2021年10月以降、行政手続きの電子化/押印廃止が進められて電子署名や電子契約への注目度が一気に高まったこともあり、日本法人であるドキュサイン・ジャパンも自社ソリューションに興味・関心がある層へ向け、積極的なアプローチを進めています。

コロナ禍の現在はオンラインの自社セミナーなどを展開し、デジタルマーケティングでニーズを引き上げ、案件化するという流れで、マーケティングチーム、インサイドセールス、フィールドセールスの各チームが顧客管理システム(CRM)で情報共有・管理し、目標を共有しています。

そんな同社の課題は、自社で開催するセミナーはアプローチできる層に限界があるため、そもそもドキュサインや電子署名について認知していない層へのアプローチが難しいことでした。

自社セミナーの場合、過去に接触したことがあり、見込み顧客としてCRMに登録されている層が対象となります。すでに製品について知っている層なので、セミナーの内容も深く専門的になります。一方、電子署名はまさにいま伸びている分野なので、基本的な仕組みやメリット、事例など基本を知りたいという企業・組織は後をたちません。

将来を見越してより幅広い層への訴求が必要と考えたドキュサイン・ジャパンは、新たな層の開拓に向け、2021年7月に開催された「ITmedia SaaS Expo 2021夏」への出展を決定しました。このイベントで新たな層の開拓し、高い成約率を実現したそのポイントについて、ドキュサイン・ジャパンでイベントマーケティングを担当するフィールド・パートナー マーケティング・マネージャーの藤原由起子氏に伺いました。

●注目度急上昇の電子署名市場、サードパーティイベントでの新規開拓が不可欠

―― ドキュサイン・ジャパンではどのような体制でマーケティングを展開しているのでしょうか。

藤原氏:コンテンツマーケティング担当1名、デジタルマーケティング担当1名、そして私がイベントをメインに担当しており、その上にマネジメント担当が1名と、合計4名で対応しています。

リードについてはイベントなどで集め、その集めたリードに対してナーチャリングを行ない、スコアリングをしていきます。そこで一定以上のポイントに達したリードをMQL(Marketing Qualified Lead)とし、このMQLに対してインサイドセールス部隊がコールをかけたり、アタックしたりしてアプローチを進めます。その結果、アポイントメントを取れたタイミングでSQL(Sales Qualified Lead)となり、フィールドセールスに引き継ぎます。

そしてフィールドセールスが実際に訪問します。そこで必要なBANT(Budget:予算、Authority:決裁権、Needs:ニーズ、Timeframe:導入時期)情報がそろっていて、クローズできる見込みがあれば、SQO(Sales Qualified Opportunity)として商談化を進めていくという流れになっています。

――各チームのKPIを教えてください。

藤原氏:大きくはMQLとSQOの数ですね。マーケティングチームも、単にリードの数をたくさん渡せばいいというのではなく、「案件化するリードなのか」まで見られているので、いかに質の高いリードをインサイドセールスに提供できるか、そしていかに効率良く案件化していくかが大事なポイントになります。情報はセールスフォースを使って管理・共有しています。
ーー最後の案件化を想定したKPIが組まれているのですね。そんなマーケティング・営業活動を展開するうえで、どのような課題がありましたか。

藤原氏:
コロナ禍以降、多くの展示会やセミナーがオンラインに切り替わり、当社もオンライン開催にシフトしました。比較的スムーズにオンラインに移行できたと思います。ただ、自社開催イベント(ファーストパーティイベント)は、ある程度当社の製品や電子署名を知っている人が対象となるため、イベントではまだ電子署名やドキュサインを認知していない層へアプローチするのが難しいと感じていました。

自社イベントでは、扱うテーマも「電子署名の法的有効性」や「システム連携」など、自然と深く専門的になります。それに対し、メディアなどサードパーティが主催するイベントは、「電子署名を使うメリット」など需要喚起につながる基本的なテーマが多く、これまでドキュサインに触れたことのないようなお客様に向けてアプローチできる機会になります。電子署名はコロナ禍で需要が伸びている分野ですし、これまでアプローチできていなかった層に対し、長い目で需要喚起していく必要があると考えていました。
ドキュサイン・ジャパン藤原様

●新規層の幅広い開拓、競合他社との相乗効果でSaaS Expoに出展

―― ITmedia SaaS Expoへ出展を決めた理由は何でしょう?

藤原氏:まずは新規開拓です。SaaS Expoは、電子署名を扱う総務分野のほか、営業・マーケ分野、財務経理分野など多彩なゾーンがあり、幅広い層にアプローチできるという期待がありました。

また登壇企業数も多く、多数の競合・関連他社が参加するのも大きなポイントでした。数社だけではなく、多くの企業が集まると人々の関心も引くので、正直にいうと競合さんがアプローチする流れに乗っかりたいという気持ちもありました(笑)。
 

ーーほかのサードパーティのオンラインイベントと比較し、ITmedia SaaS Expoへ出展してどのような点を評価されましたか。

藤原氏:リアルのイベントをそのままオンラインに置き換えたイメージで、リアルから違和感なくスムーズに移行できたと思います。またアイティメディアのイベントは、事前にコンテンツを用意して当日までに納品すればいいので、空いた時間にコンテンツを作ったらあとはお任せできるのも魅力でした。

もう1つ、先ほどの話とも関係するのですが、登壇社数が非常に多いという点も良かったです。

ITmedia SaaS EXPO
ドキュサイン・ジャパンは2021年夏に開催されたITmedia SaaS EXPOに参加。
リアル展示会からスムーズに移行でき、また、商談化についても高い成果を得たと評価している。

●質のいいリード収集のためアンケートを活用

ーーSaaS Expoへの出展により、どのような成果がありましたか。

藤原氏:実はサードパーティのイベントでは、あまりコンバージョンレートを期待していなかったのですが、MQLからSQLへのコンバージョンが予想以上に良かったです。具体的にいうと、商談化率は8%という高い成果が出ました。これまでに出展したサードパーティのイベントにおいて、ナンバーワンの成果です。

もともと出展に当たっては、どの部署のどれくらいの役職の方のリードを取りたいのかお伝えしていました。なので、リード情報のギャップはそれほどなかったのですが、私たちが自社イベントで集客できる層と違う層で商談化につながるリードを獲得できたことは非常に大きかったです。メディア主催だからこその集客力、一定レベル以上のリードの獲得を通じ、やはりアイティメディアのイベントの信頼性は高いと感じました。

ーー商談化率8%は素晴らしいですね。どのような施策が高い成果につながったのでしょうか。

藤原氏:インサイドセールスに渡すリードにBANT情報がしっかり入っているかどうかを重視しています。そのためイベントでアンケートを取る時には、ヒアリングしやすい項目を作ることを意識しています。

とはいえアンケート項目が多すぎても回答者の負担になってしまいます。そこでインサイドセールスがコールしやすく、話を広げやすいニーズの把握は必須項目としています。たとえば「紙の契約書の運用で困っていることは何ですか」といったように、コールで入りやすく、BANT情報を取得しやすい項目は欠かせないですね。

また出展に当たっては、検討のステージ(ニーズの深度)にあわせてコンテンツを7つ用意しました。これにより、どの層のお客様なのかを把握すると共に、トライアルも用意することで、案件化しやすいホットリードの獲得につながったと感じています。

最後にもう1つ、高い案件化に寄与したと考えられる要因があります。質の高いリードからコールできたことです。SaaS Expoでは、まず当社のコンテンツを視聴した方のリードが先行して納品され、時間を置いてイベント全体の参加者のリードが納品されました。

最初のリードは電子署名やドキュサインにより興味関心がある方々ですので、まずはこのフォローすべき層に対して時間を置かずにアプローチしました。そのあとにイベント全体参加者のリードをナーチャリングしていったため、効率的に案件化できたと考えています。

●電子署名の多様な活用事例の訴求を目指す

ーー今後、アイティメディアのイベントに期待することや改善してほしいことはありますか?

藤原氏:リードの納品タイミングがもう少し早くなることを期待しています。他社のイベントでは、イベントが終わった時点ですぐリードをダウンロードできるものもありますし、私どももホットな状態のうち、少なくとも翌日にはサンクスメールを送りたいので、納品がスピードアップされると嬉しいですね。

ーーシステムや体制を含め、その期待に応えられるように改善を続けていきます。最後に今後の展望についてお聞かせください。

ドキュサイン・ジャパン藤原様
藤原氏:電子署名、電子契約の市場はいまとても盛り上がっています。ただ、電子契約というと「契約業務の電子化」とイメージされている方も多いと思うのですが、そのテクノロジーは契約業務だけでなく、社内の承認プロセスであったり、申請書や申込書であったり、さまざまなシーンに適用できるのです。

私たちドキュサインもそうしたユースケースを広げ、契約以外にも役立つことや、それが企業のデジタルトランスフォーメーションを促進するということを訴求し、デジタル化に貢献したいと考えています。

※掲載されている情報は、2022年2月時点のものです。

■ドキュサイン・ジャパンについて
docusign
ドキュサイン(DocuSign)は合意・契約をクラウド上で実現するプラットフォーム「DocuSign Agreement Cloud」を提供し、企業や組織の合意・契約・稟議プロセスを自動化します。ドキュサインの電子署名は、世界180ヵ国以上で100万社以上が導入し、数億人以上が利用する、世界で一番使われている電子署名です。
■ITmedia SaaS Expoについて
ITmedia SaaS EXPO
ITmedia SaaS Expo

「ITmedia SaaS EXPO」はITmedia ビジネスオンライン主催のオンライン展示会です。2021年7月の開催ではDX時代において企業やビジネスのトランスフォーメーションの大きな担い手である「経営企画」「総務」「人事」「営業・マーケティング」「財務経理」「テレワーク」の7カテゴリに焦点を当て、課題啓発からソリューション選定までの情報を網羅的に提供。2,000名以上に来場いただきました。

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