同期の1年目編集記者にインタビュー!編集記者の仕事について聞いてみた。
こんにちは。ピヨピヨインサイドセールスのサカナです。
さて今回は、前回インタビューの機会を頂いた半田さんと同じく「EE Times Japan」で編集記者をしているAさんへのインタビューです。
実はAさんは、私と同じく2023年4月にアイティメディアに新卒で入社した同期です。
入社してからもう少しで1年が経ちますが、これまで知らなかったAさんのことや、編集記者という仕事についてざっくばらんに聞いてみました。
Aさんプロフィール:
・2023年4月にアイティメディアに編集記者職で入社、EE Times Japanで編集記者を担当
・趣味はアイドル鑑賞とパン屋巡り
アイティメディアで編集記者になるまで
サカナ:
はじめに、Aさんが編集記者になった経緯について伺いたいです。入社前の学生時代などにメディアに関わることはありましたか?
Aさん:
私は大学時代に政治学を専攻していて、学部のゼミでは政治学を絡めたメディア論を勉強していました。そこでメディアのお仕事に興味を持つようになり、縁がありアイティメディアで働くことになりました。
サカナ:
Aさんの大学時代については初めて知りました。具体的にどういう活動をしていたんですか?
Aさん:
ゼミの活動の一環でニュースサイトの運営をしていました。海外のニュースサイトや論文を読んだり、国連などの国際機関が発信している情報を調べたりして、記事を執筆しサイトに掲載するといった感じです。
サカナ:
ありがとうございます。海外のメディアからも情報収集していたんですね。
Aさん:
そうですね。ゼミのメディア論では国際政治と国際報道について勉強していました。日本のメディアと海外のメディアを読み比べると出ているトピックが違っていたりすることもあり、大手の報道機関の記事を読み、日々取り上げられているトピックをデータ化してしていました。
サカナ:
ありがとうございます。
編集記者の仕事
サカナ:
入社してからもう少しで1年になりますが、現在の感想はいかがでしょうか?
Aさん:
編集記者は面白い仕事ですね。ただ、半導体/エレクトロニクス領域はこれまでの生活であまり関わったことのない(意識したことのない)領域だったので、知らないことがたくさんあります。そのため日々勉強という感じです。
半導体/エレクトロニクス領域の取材対象は一般消費者向けの製品ではなく、製造業の企業が買うBtoBの製品です。数世代先のスマートフォンに利用できるかもしれない技術など、一般消費者としては知る機会のないものがたくさんあります。そのような内容を取材していると、少し先の未来を見ている気持ちになるので楽しいですね。難しいですが。
サカナ:
EE Times Japanは製造業の技術者によく読まれているメディアなので、その中で記事を出すには、自分の知識を深めていくことがとても重要ですね。
これまでの編集記者へのインタビューでに毎回伺う質問ですが、Aさんはどのように情報収集しているのですか?
Aさん:
最初は、業界について体系的にまとめている本を読んで勉強しました。しかし、当然ながらそれだけでは取材ができないので、詳細についてはメディアの情報を参考に情報収集しました。なかでも自分たちのメディアであるEE Times JapanやEDN Japanは昔からあるメディアで過去の記事も蓄積されているため、取材に行く前に対象企業の記事を読んでいます。また、技術的な内容は取材先でも教えていただきます。取材の相手は専門的な技術職で、担当分野について誰よりも詳しい方たちです。
サカナ:
ありがとうございます。業界動向など最新のニュースはどのように情報収集していますか?
Aさん:
そうですね。そのあたりもメディアを読んで勉強することが多いです。あとはメディア向けに行われているセミナーや記者発表会に参加して、記事を執筆することもあります。ですので、日々の業務が情報収集になりますね。
編集記者の1日
サカナ:
続いて、Aさんの1日の業務スケジュールについて伺いたいです。
Aさん:
取材の有無によって変動します。取材がない日は朝から晩まで記事を執筆しつつ、かたわらで雑務をするみたいな1日です。現地の取材がある日は先方のオフィスや展示会に出向いて外出していることもあります。
今日のスケジュールで言うと、ちょうど先程、午後にオンライン取材の予定が入ったので、それに参加して記事を書く予定です。このように、取材の予定を優先してスケジュールを組む感じですが、時間は割と自由ですね。
サカナ:
この後、取材の予定があるのですね!頑張ってください。
取材で心がけていること
サカナ:
Aさんが取材で心がけていることは何かありますか?
Aさん:
まだまだ修行の身なので何とも言えないですが、取材の際に「読者は何を知りたいのか」を考えると自ずと質問する内容も決まってくると思っています。
EE Times Japanの読者は電子機器などを開発/設計する技術者の方が多くいるので、例えば、ある電子部品メーカーが新製品を発表したというニュースでは「その部品を使うことでどんなメリットがあるか?」が読者の最も知りたいことだと思います。
また、自分でもよく意識しているのは、取材をしている時から「記事のタイトルにしたい部分を考えながら取材する」ということです。記事のタイトルというのは記事の肝になる、要は読者に一番伝えたいおいしい部分になります。
ですので、取材後はタイトルを考えてから内容を書くようにしていて、タイトルが上手く思いつかないときは自分の取材が足りなかったと反省します。
サカナ:
確かに、記事を意識すると取材時の質問内容や、その後の記事執筆が上手くいきそうですね。
メディアのタイトルでは、例えば『~~~は実は...』というような続きが読みたくなるようなタイトルっていくつかあると思うのですが、いざ自分がタイトルを付けるとなると、当たり障りのない内容になってしまいがちですが、タイトルの内容を考えるうえでポイントはありますか?
Aさん:
それでいうと、例えば何か新しさがあるものだったら従来と比べてどのように進化したのかを説明したり、小型の新製品だったら従来比〇〇%などとわかりやすい数字で示したり、製品の新機能をキャッチ―に表したりして工夫しています。
例として、私の過去の記事を挙げてみると...
■熱の動きを0.01秒で検知、低コストで量産可能な熱流センサー
https://eetimes.itmedia.co.jp/ee/articles/2310/23/news048.html
これでいうと、前提として、温度の変化を検知するのには時間がかかるといわれているのですが、この記事で取り上げている製品では熱の動きを0.01秒で検知できるとのことだったので、それを具体的な数字で表記しました。また、既存の製品は高価なものが多いそうなので、低コストで量産可能ということをタイトルにまとめました。
読者の多くを占めている製造業の技術者の方の中には、市場の製品や技術についての「常識」があると思うので、その常識に反するような意外性のある部分を取り上げると、気になって読んでくれると思います。
今後の目標
サカナ:
今後の目標などあれば伺いたいです。
Aさん:
そうですね。今の課題は、下調べに時間がかかってしまうことです。
1つの取材で初めて知ることがまだまだたくさんあるので、事前に取材対象の製品を調べたり、取材の後もわからなかったことを調べたりして、それからやっと記事を書きます。ですので、自分の経験や知識の無さを補うために必要な手順が多くて大変です。また記事を書くスピードにも課題があります。
今後の目標は専門分野を見つけることです。「この製品についての取材はこの人に任せよう」と思っていただけるような専門分野を見つけたいですね。実績と信頼をコツコツ積み上げて、この分野ならこの人に任せておけば大丈夫と思われるような編集記者になりたいと思います。
サカナ:
ありがとうございます。
最後に
同じく入社1年目Aさんのお話を伺いましたが、いかがでしたでしょうか。Aさんとは入社後の研修以降社内で連携をとって働くことがなかったので、改めてどのような仕事をしているのか話を聞くことができて良かったです。また、Aさんの謙虚さと仕事への向き合い方に良い刺激を受けました。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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