記事公開日:2023年1月20日
2018年よりアイティメディアのオンラインリードジェネレーションサービスなどを活用し、大量リード獲得を実現しているサイバーリーズン。そのサービス運用のポイントは、スケジュールに基づき年間10本の自社制作コンテンツを展開する「コンテンツ力」にある。
豊富なコンテンツを制作できる同社の体制や業務プロセスと共に、アイティメディアのリードジェネレーションサービスがどのように貢献しているのか、サイバーリーズン マーケティング本部 シニア マーケティングマネージャー 南部弘毅氏に聞いた。
導入背景と課題 | 自社コンテンツを活用しての高品質リード獲得 |
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導入内容 | アイティメディア「リードジェネレーションサービス」を利用した年間8000リード獲得 |
利用による効果 |
自社コンテンツを利用した、安定した大量リード獲得 |
年々巧妙かつ複雑になるサイバー脅威。ウイルス対策や不正アクセス対策など脅威への対症療法ではなく、組織内のエンドポイント全体を監視し、サイバー脅威を検知・対策するセキュリティ対策「EDR」(Endpoint Detection and Response)のソリューションを提供しているのがサイバーリーズンだ。
2016年3月に日本での事業をスタートさせた同社は、まだEDRという用語が浸透していなかった時期から日本市場を開拓し、2022年現在、この分野で4年連続国内トップシェアを獲得している。その同社が注力しているのが、リード(見込み顧客)を活用したディマンドジェネレーション活動だ。
同社は、リード獲得のために、イベント・セミナーへの出展や登壇、自社セミナー/ウェビナーの運営、オウンドメディアでのコンテンツ提供はもちろん、主要メディアが運営するイベントやリード獲得サービスへの協賛も積極的に実施している。
そのパートナーの1つがアイティメディアだ。2021年、サイバーリーズンではアイティメディアのオンラインリードジェネレーションサービスを活用し、コンテンツ10本を自社制作してマーケティング活動を展開した。
このほかアイティメディア主催のオンラインセミナー「ITmedia Security Week 2022」でも講演を行ない、合計で年間8000件のリードを獲得。最新情報を盛り込んだ良質なコンテンツを惜しみなく提供し、大量のリード獲得につなげ、国内トップシェアの座を維持し続けるベースとしている。
このように、サイバーリーズンのマーケティングの特長は積極的なコンテンツ施策にある。BtoB企業の多くはコンテンツを活用した効果的なリード獲得マーケティングを目指しているが、それを実現している企業は非常に少ない。サイバーリーズンは、その稀有な成功企業だ。同社マーケティング本部 シニア マーケティングマネージャーの南部弘毅氏は次のように語る。
「多くのリードを取るにはさまざまなメッセージ(アプローチ)が必要ですし、高いリード獲得目標を達成するにはしっかりしたコンテンツを作らなくてはなりません。そのため、継続的にコンテンツを作るサイクルを構築しています」
オンラインリードジェネレーションサービスやアイティメディア主催のイベントなどで獲得したリードに対しては、南部氏が所属するマーケティングチームでスクリーニングを行い、MQL(Marketing Qualified Lead)を抽出する。そのMQLに対してテレマーケティングを行い、アポが取れればSQL(Sales Qualified Lead)としてセールスにエスカレーションし、案件化する。
MQLに達しなかったリードやフォロー対象外となったリードに関してはMAツールで、メルマガの配信や最新ブログ記事を紹介したり、ダウンロード資料のオファーをかけたり、イベントやセミナーの案内を行うなど、ナーチャリング活動を実施する。これらのアクティビティに反応したリードがあれば、Slackで関係部署に通知され、テレマーケティングなどのフォローアップを実施する。
そのようなプロセスにおいて、南部氏が最も注力しているのが「良質なコンテンツの提供」と「リード獲得後のスピード感」だ。
「セキュリティソリューションの導入は長期に渡って検討するというより、課題が発生したときに比較的短期間で決まるケースが多いです。このスピード感に対応するためには情報を探しているお客様が必要なタイミングで弊社のソリューションを見つけられるように、しっかり情報を出しておく必要があります。」
「ただし、競合がひしめく中、単純に製品情報を提供しているだけでは埋もれてしまいますので、セキュリティトレンドに関する知見など、お客様が必要とする良質なコンテンツを提供していくことが必要だと考えます。その結果として良質なリード情報を獲得することにつながります。」(南部氏)
また、獲得した1件1件のリードに対して綿密にフラグを立てるよりも、なるべく早くフォローアップできるようにスピード感をもってスクリーニングを行う。ただし“雑なリード”を渡すとフォローアップを担当する部門に余計な負担がかかるので「スクリーニングは“素早く・しっかり”を心がけています」と南部氏は話す。
そんなサイバーリーズンのマーケティングチームには4つの機能がある。1つはプロダクトマーケティング、もう1つはパートナーマーケティング、そして認知度向上のための広告・広報のような役割を担うチーム、そして最後にリードを作っていく「ディマンドジェネレーション」を担当するチームだ。
ディマンドジェネレーションチームのKGI(Key Goal Indicator)は「マーケティング活動が起点になった案件の受注金額」だという。このKGIを達成するためにパイプラインがどれくらい必要なのかを算出し、そのパイプラインの生成に必要なリード数を逆算し、獲得リード数のKPI(Key Performance Indicator)を定めていく。
リード獲得のための具体的な施策は、先述したようなイベント出展や外部カンファレンス登壇のほか、「コンテンツシンジケーション」と呼ばれる社外リードジェネレーションサービスの活用、デジタル広告などだ。南部氏によると、コンテンツ制作に関して起点となるのは四半期ごとに設計する「キャンペーン」だという。
「セミナーを四半期に1度のペースで開催しているのですが、まずはこのセミナーがキャンペーン(コンテンツ制作)のスタートとなります。基本的には時事ネタやセキュリティトレンドとそれに対する解決策をお伝えするもので、昨年(2022年)だと個人情報保護法の改正やロシアのウクライナ侵攻に関連したサイバー攻撃などをテーマにしました」
「ここでのメッセージは営業活動にもつながるので、マーケティングチームと共に社内のエバンジェリストやコンサルタントが営業資料やセミナープレゼン資料などのコンテンツを作り上げていきます。さらにそのセミナーの内容を基にしたダウンロード資料を作成し、自社のWebサイトや社内外のリードジェネレーションサービスに展開するなど、1つのコンテンツをさまざまなメディアに展開しています」(南部氏)
「次のキャンペーン/コンテンツ制作」については、社内で気軽に立ち話を交わしながら相談する習慣が根付いている。わざわざコンテンツ制作に向けて定例会議を開いたりするのではなく、担当者間で「イケる」と判断したらすぐに資料作りに取り掛かる。ここでもやはりスピーディーさが求められているわけだ。
「セミナーの開催サイクルやリードジェネレーションなどのサービスについてはすでにプロセスが決まっているので、それに合わせて講演シナリオやコンテンツ作成のルーティーンも決まっているので、年間で10本程度のコンテンツを生み出す社内体制が出来上がっています」と南部氏は説明する。
制作したコンテンツについては、セミナーでの反応やダウンロード数、商談での反応、記事広告のトラフィックなどを見て評価する。改善が見込めるものについてはフィードバックしてより良いものに仕上げ、反応がイマイチなテーマでもその反省を生かして次のコンテンツ制作に向かう。このようなサイクルで、ユーザーに有益な情報・コンテンツを制作し続けているという。
「セキュリティソリューションは、検討期間が比較的短いからこそ新規リードを獲得していかないとCVRがすぐに落ちてしまいます」と南部氏は言う。実際、同社にとってCVRの向上は大きな挑戦の1つで、良質なコンテンツを上げ続けていてもなかなか向上しない。
だからといってコンテンツ制作を疎かにすることはなく、常に最新トレンドや市場動向に目を配り、ユーザーにとって有益な情報を発信し続けている。そんな思いで制作したコンテンツをアイティメディアのリードジェネレーションサービスに展開し、得られるリードの“質”はどのようなものなのか。
「アイティメディアから獲得できるリードはスクリーニングしやすいですね。スピーディーなスクリーニングが必要な当社にとっては大変助かっています。またその後、電話をしてもきちんとつながる方が多く、他社に比べてもリードの質は非常に良いと思います」と南部氏は話す。
「またリード獲得時に実施するアンケートの項目がしっかりしているので、業種業態はもちろん、製品導入の検討部門の方かどうか判断しやすいです。また、リード獲得サービスによっては新規の資料作成を求められ、手間がかかることがあるのですが、アイティメディアはそうした制約が少なく、こちらの用意したコンテンツで質の良いリードをしっかり獲得できるのでとても安心です」(南部氏)
現在サイバーリーズンでは、エンドポイントセキュリティである「EDR」を拡張してネットワークやアプリケーション、クラウドサービスなど企業システム/ITサービス全体からサイバー脅威を検出し対応できるセキュリティ対策を支援する「XDR」(Extended Detection and Response)という「セキュリティプラットフォーム」に進化しようとしている。さらなる新しい市場に向け、今後もコンテンツを活用した新規リード獲得にまい進していく。
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