RPA導入に満足している企業は約半数にとどまる 本格活用に向けた切り札とは?

» 2019年12月04日 10時00分 公開
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 社会やビジネス環境が激しく移り変わる中、企業が生き残るためには新たなアイデアを次々に生み出し、収益の柱に育てていくことが不可欠だ。そのためにも、多くの業務を効率化して生産性を高め、創造的な業務に人的リソースを注いでいく必要がある。

 ところが、現実には多くの従業員が膨大な既存の定型業務に追われており、生産性向上につながるような、イノベーティブな仕事に注力することは難しい。人材を確保しようにも、従来の非効率な手法を改善できず、優秀な人材に敬遠されてしまうこともある。

 そこで注目されているのが「RPA(Robotics Process Automation)」――時間ばかりかかる事務作業や反復性の強い単純作業などをロボットに代行させて自動化し、人間の時間をより創造性の高い業務に集中させようという取り組みだ。「働き方改革」の課題にもなっている長時間労働の是正や、価値ある仕事を任せることによる従業員のモチベーション向上といった点でも注目を集めている。近年は、日本国内でも大手企業を中心に導入が進みつつある。

photo RPA市場で国内外ともに大きなシェアを占めるUiPathが開催したイベント「UiPath ForwardⅢ Japan」の様子。米国本社のパラム・カロン氏(Chief Product Officer)も登壇
photo 出展ブースにも多くの人が集まり、RPAへの注目の高さが伺える

 しかし、RPA市場で国内外ともに大きなシェアを占めるUiPathの原田英典氏(マーケティング本部 プロダクトマーケティング部 Head of Product Marketing)は「RPAは決して“魔法の杖”ではない」と指摘する。

 「私の体感としても、RPAを導入し、成果に十分に満足している企業はもっと多くて良い。一度RPAを導入しても、部門横断的に活用するなど自動化の領域を最大化して成果を出すことに成功しているケースはまだ限られている」(原田氏)

 せっかくRPAを取り入れても、満足している企業は半分程度で、簡単な検証をするだけで終わってしまったり、最初に取り入れた業務しか自動化できなかったりと、なかなか活用が進まず、期待したような成果を出せないケースも多いという。生産性向上や業務効率化などを期待して杖を持っただけでは、ビジネスや組織を改善することはできないのだ。

RPA活用を阻む「部門の壁」、乗り越えるためには?

 RPAの活用が進まない背景には、RPA導入を推進する部門への依存がある。さらに部門ごとの独立した導入にとどまり、全社導入に発展しづらいことも挙げられる。RPAは業務に直結するシステムのため、業務部門が自ら旗を振って導入し、その活用を一手に担うことも多い。すると、その部門と似た業務を行っている別の部門があっても「部門が違うから」「プロセスやフローが違うから」といった理由で横展開されず、特定の部署の特定の業務しか自動化できていない――といった状況が発生する。その結果、少しの成果しか得られず、導入や運用のコストと見合わなくなり、業務自動化の展開に歯止めがかかってしまう。

 また、RPAを「簡単な作業の置き換え」にしか活用できずに導入コストを回収できない企業や、一旦自動化してみたものの、日々の業務の変化にRPAを対応させられなくなった企業もあるという。

 「RPAというと、目の前にある“業務”を自動化しようと考えがちだが、それでは狭い領域でしか活用できない。業務は1人でするものではなく、チームメンバーや他部署と連携し、組織全体で動くものであるのと同じように、RPAも本当は組織単位で活用を考えなければならない」(原田氏)

 では、RPAを成功に導くためにはどんな取り組みや工夫が必要なのだろうか。

 原田氏は、最初にやるべきこととして「投資対効果の高い業務でRPAを採用し、成果を出すこと」を上げる。一定の成果を上げれば、それが推進剤になるからだ。しかし、1つ成果を出しただけで終わってしまうケースも多いため、導入に合わせて別の業務や部門への横展開をあらかじめ考える必要があるという。

 「複数の部門で同じような業務が行われている場合、まずはそのフローを整理して“標準化”するといった工夫が必要だ。それができれば、部門をまたいで自動化を進められるだろう」(原田氏)

 加えて、「RPAの導入は難しい」と思いがちな複雑な業務を解体し、「どうすれば自動化できるか」という視点で業務プロセスを見直すことも重要だ。実際に業務を行っている現場から、業務フローやプロセス、業務改善のアイデアを聞き出すことで、効率化のヒントが見つかることも多いという。「一方で、現実的には『立案者が自分で推進するべきだ』という風潮も強く、自動化に向けたアイデアはあっても、立案者に技術的な困難があれば現場は提案しにくい。そこをフォローしていく必要がある」(原田氏)

 このように、RPAは“ただロボットを入れるだけ”では成果がでない。組織全体を俯瞰して業務プロセスを分析し、どんなロボットをどんな風に使うか計画を立てて開発したら、効果的に利用できるようしっかりと管理しながら運用し、人間が行う業務と連携しながらその効果を測定・検証する――というサイクルを回していくことが重要なのだ。

一気通貫で業務効率化を支えるUiPathのRPA

 そこでUiPathでは、こうしたRPAの活用を実現するため、2020年上半期にかけてRPAの計画から管理、効果測定までを一気通貫でサポートするソリューションを順次リリースする計画だ。

photo RPAを成功させるために重要な一連のサイクル

 原田氏によれば、従来のUiPathを含む多くのRPAツールは、一連のサイクルのうち「開発・管理・実行」の領域だけをサポートするものが多かったが、実際には「どんな業務を自動化するべきなのか考えることが重要だった」「RPAでどんな成果が出たか定量的に把握する必要があった」など、「計画・協働・測定」の領域でつまづいている企業も多かったという。

 こうした現状を踏まえ、UiPathでは従来のサポート領域をさらに強化しつつ、不足していた領域に対して、製品や機能の開発を進めている。

 例えば、「どんな業務を自動化するか」などRPAの計画を立てるフェーズに対しては、PC上で行われている業務手順を記録して自動で文書化してくれる「Explorer Expert」や、自動化に適した業務の発見を支援する「Explorer Enterprise」を提供。

 また、横展開していく際には、情報共有ツールとして使える機能が不可欠であることから、従業員から自動化のアイデアを募集し、蓄積していくことができる「Connect Enterprise Hub」も用意する。

 ロボットの開発は、プログラミングスキルがなくても直感的な操作でワークフローを作れる「StudioX」という製品でサポート。従来製品では変数や型といったプログラミング関連の知識を求められることもあったが、StudioXならそうした心配もなく、各業務部門の現場での活用が期待できるという。作ったロボットは、PCだけでなくモバイル端末でも管理できるようにし、利便性や効率性も高めていく計画だ。

 また、自動化したいワークフローの一部に入力フォームを組み込む機能も開発。これにより、ロボットが自動的にタスクを作成し、一元化されたタスク管理表に登録して、ユーザーに操作を依頼することができるようになる。つまり、ロボットに任せられる単純な業務と、「定型化されていない情報を入力する」「特定の人に承認してもらう」といった人間にしかできない業務を組み合わせられるようになり、組織全体の業務を効率化できるという。

 そして、原田氏が最も重要だと指摘する効果測定の領域では、計画・開発・管理・実行・協働のそれぞれの領域のデータを分析し、レポートする「Insights」を提供予定。この製品を使えば、どの計画がどのように行われ、どんな効果を生んでいるのかをまとめて可視化できるようになるという。

 「企業が利用している勤怠管理や経理などのシステムの情報をロボットに取り込めば、『Insights』でRPAの効果を測定するだけでなく、自動化による勤務時間やコストなどへの影響も計測できる」(原田氏)

 RPAが組織全体にどんな効果をもたらしたかを正確に把握できるようになれば、業務部門からのボトムアップと経営層からのトップダウンをつなぎ、両軸で業務効率化を進めていくことができるだろう。全ての業務を一元管理し、費用対効果の高い領域から優先的に標準化や自動化を進めていく――といった経営判断もしやすくなるはずだ。

「お試し版」はRPAを知るチャンス

 RPAが近代企業に新しい力を与えるものであることは間違いない。しかし、期待の大きさゆえに、期待だけに目を向けてしまいがちだ。そうして自社の業務効率化の本質を見逃してしまい、うまくいかないケースも多い。今抱えている課題は何で、それをどう解決したいのか、そのためにどんな製品や機能が必要かを考え、自社に合ったものを選ぶことが重要だ。その点、UiPathなら、幅広い領域の課題に寄り添ってくれるだろう。

 もちろん、選定においては実際に製品を試して「自社で使いこなせそうか」を確認することも大切だ。UiPathでは、機能実証や検証を目的に無料で利用可能な「UiPath Community Edition」を提供している。 クラウド化されているため、サインインするだけで最新のUiPathのRPAを無料で試すことができる。計測領域など、一部の機能や製品を除き、多くのツールは2019年内に試せるようになるという。

photo 計画〜測定まで、各種製品のプレビュー版を順次提供していく

 「私たちは、どんな人でも簡単に業務を自動化できる世界を創りたいと考えている。とはいえ、作業のやり方は“人それぞれ”。多くのユーザーの意見を開発プロセスに取り込み、一緒に作り上げていくことで、本当に人を助けることのできるRPAを進化させていきたい」(原田氏)

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提供:UiPath株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia NEWS編集部/掲載内容有効期限:2019年12月18日

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